悔しさの残るシーズンだった。
デュッセルドルフでの2年目となるシーズン。開幕戦から途中出場を果たし、さい先のいいスタートを切ったかに思われた。だが、これからというタイミングの昨年7月、左足首の前脛腓靭帯を断裂。よもやの長期離脱を強いられることになる。
復帰後はレギオナルリーガ・ヴェスト(ドイツ4部リーグ相当)で出場機会を得たが、トップチームに限っては3試合の出場でピッチに立った時間は33分のみ。「本当に今まであまり過ごしたことのないというか、すごくやりきれない部分だったり、もどかしさがずっとある中でサッカーをやっていた」と振り返るように、クラブでなかなか結果を残すことができずに苦悩の日々が続いた。
それでも下を向くことなく、未来を見据えて戦い続けてこれたのは、パリ五輪世代となるU-22日本代表の存在が大きい。3月の欧州遠征では昨年6月のAFC U-23アジアカップ以来となるメンバー入り。ベルギーとドイツという強豪国との戦いでどちらも出場を果たした。クラブで日々もがき続ける中、代表活動は自身にとって大きなモチベーションとなっていた。
「代表活動は本当に成長しなければと思わせてくれるものがあるというか、今シーズンうまくいかない中でもちゃんと明確に自分の中にモチベーションを与えてくれていた。心が折れそうな時も、そういうことをちゃんと思い出してモチベーション高くやってこれていたと思います」
(C)Getty Images3月の欧州遠征では日々、試合に出ている選手とのコンディションの差を痛感した。だからこそ、そこのレベルを近づけるために、トレーニングから他の人より自主練習の時間を多くした。
とある日、トレーニングを見にいくと、練習終わりに一人ボールを持ち出して壁に向かって蹴り込む姿が見られた。内野は少し照れくさそうに「本当に自分が納得いく量の練習をするのが、気持ちの面でも身体の面でも楽になる。いま試合に出れていない分、どこかでマイナスを補わないといけないというところで、そういう工夫をしながらやってきた感じです」と笑ったが、この積み重ねが未来につながるのだろう。
もちろん、来年に迫るパリ五輪に向けて焦りがないわけではない。自分自身、試合に出られない日々が続く中で、他の選手はピッチに立つ時間を増やして確かな結果を残している。
「やはり試合に出ないと選ばれないというのもあるし、今は自分のプレーを出せていないところがあるので焦りはあります。ただ、それをポジティブに捉えていて、自分がそこを目指すというのがモチベーションにつながる。パリを目指しながら、その目標を達成できるような行動を日々することが、今、自分が意識しているところです」
「自分にあまりいい影響がない」と周りの結果に一喜一憂することもやめた。同世代の活躍は刺激になるが、彼らは彼らであり、自分は自分。今は自分との戦いが全てだと理解している。
「(デュッセルドルフの試合に出ている)同じポジションの選手を見ると、やはり1対1、守備の強度が強い。まさにこのリーグは、そういう選手しか生き残れないリーグだと思う。そこのタフさがまだ自分には足りていないのかなと思っている。攻撃のところでライバルの選手と差をつけたいし、それに付随して守備の強度のところで高いインテンシティを普段から出せるようにしないといけないと思います」
1日、内野は6月のパリ五輪世代の活動に招集されることが決まった。少し前に話を聞いた時、「もし選ばれれば」とこんな思いを口にしていた。
「クラブとはまた少しサッカーが変わるところもあるんですけど、どこの場所でも求められる“1対1に負けないこと”だったり、いま必要な部分をもっと高めていかないといけない。もし呼ばれたら、そういう意識を持ってやっていきたいと思います。練習試合とは思えない強度で2試合できると思うので、今の僕にとってはすごく幸せな機会ですし、そういうところでちゃんと見せつけないと生き残っていけないと思っています。自分のサッカー人生の中でも、代表戦はいつも大事な瞬間なので頑張りたいです」
イングランド、オランダという強敵との対戦が待つ。そこでどんな手応えを得て、どんな課題を突きつけられるのか。来季へ向け、パリ五輪へ向け、意義のある2試合に内野は挑んでいく。
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