3日のラ・リーガ第12節、レアル・ソシエダは敵地サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦に2-0で勝利した。先発出場のMF久保建英は、個人技から今季3点目を決めている。
絶不調だったシーズン開幕時と比べて、パフォーマンスの内容は改善されながらも、肝心のゴールが足りず勝利を逃しているソシエダ。このセビージャ戦、そんな欠けているゴールを決めたのは久保だった。
セビージャはこの試合、久保を2枚で守ることをせず左サイドバックのペドロサとのマッチアップを許容していたが、こうなると日本人MFの独壇場だ。調子が良いときには、ほぼ確実と言っていいほど1対1で勝利できる久保は、34分に先制点を決めた。右サイドから、ペドロサを一瞬のスピードで抜き去りペナルティーエリア内に侵入すると、流れるような動作から左足でシュート。ボールはGKアルバロ・フェルナンデスが反応できないほどのスピードで、勢いよく枠内に飛び込んだ。
たった1人で、圧倒的な個人技からゴールを奪った久保。第2節エスパニョール戦(1-0)、第3節バレンシア戦(3-0)に続く今季公式戦3点目となった。
久保はその後も右サイドでペドロサをきりきり舞いにし、ソシエダで最たる違いをつくり続ける。カットインするかと思ったら左足アウトサイドのクロスでオヤルサバルにチャンスを供給し、クロスを送ると思ったらカットインして自らゴールを狙い、カットインするかと思ったらマイナスのパスでブライス・メンデスのミドルシュートを引き出す……。スペインで使われるクラック(名手)という言葉は、まさに久保のような選手のことを言うのである。
久保が先導するソシエダは、68分に追加点を記録する。スビメンディがペナルティーエリア内で、マルカオにまるでラリアットのようなファウルを受けてPKを獲得。キッカーのオヤルサバルが、グラウンダーのシュートを枠の右隅に決め切っている。
イマノル監督は80分、疲労が見えていた久保、ブライス、オヤルサバルを下げてオスカールソン、オラサガスティ、ベッカーを投入。終盤、セビージャの攻勢を受けたソシエダだったが、失点を許すことなく2点リードのまま試合終了のホイッスルを迎えている。久保建英は、もちろんMOMに選出された。
ラ・リーガ2試合ぶり勝利のソシエダは、その成績を4勝3分け5敗として勝ち点15で10位につけている。なお久保はラ・リーガの通算得点数を25に伸ばして、2006〜2012年、2014〜15年にオサスナでプレーした元イラン代表MFジャバド・ネクナム氏の記録を1点上回って、同リーグのアジア人歴代最多得点選手となった。