30日のラ・リーガ第8節、レアル・ソシエダは本拠地レアレ・アレナでのアスレティック・ビルバオ戦に3-0で勝利した。MF久保建英は先発フル出場で、チームの2点目を決める活躍を披露している。
スペインのほかのダービーよりも友好的で、それでいて熱い戦いが繰り広げられてきたことで知られるバスク伝統の一戦。前半は激しく、しかしながらチャンスの少ない肉弾戦のような展開となり、ソシエダが30分にセットプレーから均衡を破っている。左サイドからのフリーキックの場面、ブライス・メンデスが送ったクロスがアスレティックDF陣に跳ね返り、ル・ノルマがこぼれ球を押し込んだ。
この日も4-3-3の右ウィングとしてプレーする久保は、やはり相手の徹底マークに遭い、2〜3人で守られる状況で存在感を示すことはできない。しかし、それでもゴールを決めてしまうのが、今の彼だ。その瞬間は後半開始から3分後に訪れた。
左サイドのブライス・メンデスがグラウンダーのクロスを送ると、ペナルティーエリア内中央のサディクが触れなかったボールがファーへと流れる。そこにフリーで走り込んできた久保は、狙い澄ました左足のシュートでボールを枠内左に沈めた。
ゴール直後、お尻を突き上げるようなパフォーマンスを見せ、チームメートの笑いを誘った久保。昨季に続いてホームでのバスクダービーで得点となり、今季ラ・リーガでは5得点目。ラ・リーガ得点ランクでは6得点の首位ベリンガム(レアル・マドリー)に次ぎ、レヴァンドフスキ(バルセロナ)、モラタ(アトレティコ・マドリー)と並び2位に位置している。
エースのゴールでリードを広げたソシエダは、その後アスレティックの反撃を跳ね返しつつ、ポゼッションとカウンターを織り交ぜた形で3点目を狙う。そして66分、クラブの象徴オヤルサバルが観客にさらなる歓喜をもたらした。後半途中から出場した背番号10は、スビメンディのスルーパスからペナルティーエリア内に侵入し、GKウナイ・シモンとの1対1を制している。
安全圏とも言える得点差としたソシエダはその後、久保がカウンターを中心に存在感を発揮するようになり、相対するアスレティックの左サイドバックのユリやイニャキ・ウィリアムズと衝突する場面もあった。試合はそれ以上スコアが動くことなく、ダービーを制したソシエダがラ・リーガ3連勝を達成。アスレティックやアトレティコ・マドリーを抜いて、暫定で4位に順位を上げている。なお久保はこの大一番で、ファンが投票するラ・リーガのMVPに選出されている。




