現地時間10日、パリ五輪の女子サッカー競技では、アメリカ女子代表とブラジル女子代表による決勝戦が行われた。
女子サッカー界の顔ともいえる両雄。決勝で当たるのはこれが3回目で、そのすべてでアメリカが勝利している。いまだ女子サッカーでの金メダルがないブラジルにとっては悲願の初優勝に向け、絶対に越えなければならない壁としてまたしてもアメリカが立ち塞がる格好となった。
それでも、初優勝に燃えるブラジルは立ち上がりから積極的な入りを見せ、アメリカの出鼻を挫く。開始わずか2分、ルドミラがジェニファーとのワンツーでアメリカの最終ラインを突破するも、この決定機でシュートはGKネイハーの正面に飛んでしまう。
さらに16分、エリア内左に流れてボールを受けたルドミラが縦に仕掛け、そのまま豪快なシュートでネットを決めるが、これはオフサイドによりノーゴールとなった。
アメリカの反撃は26分、左サイドで縦に抜けたスワンソンがスピードに乗ったままエリア内に侵入。そのままシュートを放つが、やや角度を欠きコースを消したGKロレナがファインセーブで切り抜けた。
アディショナルタイムには、右サイドからの折り返しをガビポルティリョが合わせるも、GKネイハーがセーブ。互いに無得点のまま試合を折り返した。
後半もブラジルが高い個人技で攻めるものの、アメリカも非常に堅い守備で決定機を作らせない。ブラジルは50分にビトリアヤヤが担架で運ばれるアクシデントがあり、アナビトリアが投入される。
試合が動いたのは57分、高い位置でパスミスを奪うと、抜け出したスワンソンがGKロレナとの1対1を冷静に沈め、アメリカが均衡を破った。
1点を追う格好となったブラジルは、いよいよレジェンドのマルタを投入。しかし、流れはアメリカに傾いており、奪ってからの速攻で効率よくチャンスを作り出していく。64分にはロドマンが抜け出して左足でシュートを放つが、ゴール左へとわずかに外れた。
その後も追いつきたいブラジルを尻目に、アメリカがカウンター気味にチャンスを作り出す。ブラジルは思うように決定機を作れず、満を持して投入されたマルタもなかなかゴール前で仕事をすることができない。
アディショナルタイムは10分と長めに取られたが、最後までブラジルにゴールを許さず、逃げ切ったアメリカが3大会ぶり最多6度目の優勝を飾った。
■試合結果
ブラジル女子代表 0-1 アメリカ女子代表
■得点者
アメリカ女子代表:スワンソン(57分)
