Joel Chima Fujita St. Pauli 08162025(C)Getty Images

「力強いパフォーマンスを見せた」藤田譲瑠チマ、ザンクト・パウリデビュー戦で存在感も…PK失敗が話題に

ザンクト・パウリに加入した日本代表MF藤田譲瑠チマが、PK戦の末に勝利したDFBポカール1回戦ノルデルシュテット戦を振り返った。

ザンクト・パウリは16日に行われたこの一戦で4部ノルデルシュテットと対戦。シュート41本、クロス38本、CK24本、ポゼッション率78%と一方的に試合を支配しながらも得点を奪えず、PK戦に突入。最終的に3-2で勝利し、2回戦進出を決めた。

そんな中、今夏にベルギーのシント=トロイデンから加入した藤田は中盤の一角で先発し、新天地デビューを飾った。ドイツ紙『ビルト』は23歳のMFについて「試合を通じて力強いパフォーマンスを見せた。繊細な技術で早くもファンの人気者になりそうだ」と称賛する一方、PK戦でのキックには「首をかしげざるを得ない」と苦言を呈している。

藤田は2人目のキッカーを務めたが、助走をほとんどせずに蹴った真正面へのシュートは相手GKに阻まれた。ただ、GKが早く動きすぎたと判定され再度チャンスを得るも、シュートは左ポストに弾かれて失敗。チームは最初の2本を落とす苦しい展開となった。それでも続く3人が冷静に成功させ、最後は守護神ニコラ・ヴァジリが相手の5人目を止め、辛くも勝利を収めた。

クラブ公式サイトによれば、藤田は「雰囲気は最高で、ファンは本当に素晴らしかったです。とてもモチベーションをもらえました。最初から多くのチャンスを作りながら決め切れず、何度か冷静さを欠いた場面もありました。決して簡単な試合ではなかったですが、最後に勝てて良かったです」と振り返り、自身のPKについても「外してしまった後、ニコが最後のPKを止めてくれて本当にほっとしました」と安堵の表情を見せた。

『ビルト』によれば、藤田はPKについて「GKがもう少し横に動くと思いましたが、そうではありませんでした」と説明。再挑戦時には「頭の中が真っ白になっていた」とも語り、「ニコに感謝しています。自分のミスでしたが、残念ながら起こり得ることです」とGKへの感謝を口にした。

アレクサンダー・ブレッシン監督は「週の間にPK練習をしていて、“深呼吸して、普段やらないことはするな”と伝えていた」と明かし、「これに関してはドイツ語で話していたので、もしかしたら伝わらなかったのかもしれない」とも言及。特に1本目については「残念なものだった」と評しながらも、「練習ではもっと良いシュートを打っていたのにね」と擁護した。

さらに指揮官は「本来の狙いは、早い時間帯の得点で落ち着きを得ることだった。90分までは多くのチャンスを作り出し、良いゲーゲンプレスも見せていたし、内容自体はとても良かった。相手にチャンスもほとんど許さなかった」と手応えを語り、「最後はまた冷や汗をかいたが、次のラウンドに進めて嬉しい」と締めくくった。

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