トッテナムDFジェド・スペンスのイングランド代表デビューは、現地で大きな注目を集めている。
フラムの育成組織出身で、これまで様々なクラブを渡り歩いてきたスペンス。2024-25シーズンからトッテナムのトップチームに本格的に合流すると、昨季は公式戦35試合に出場してヨーロッパリーグ優勝にも貢献した。そして今季も開幕から好パフォーマンスを披露すると、9月のインターナショナルウィークでイングランド代表初招集。セルビア代表戦(5-0)で21分間プレーし、初キャップを飾っている。
そしてこの25歳DFのイングランド代表デビューは、現地で大きな注目を集めることに。イギリス『BBC』によると、自らムスリムであることを公言しているスペンスだが、ムスリムを公言する選手がイングランド代表としてプレーすることは今回が史上初めてのことになったという。
本人はこの件に関して、「自分が初めてとは知らなかったので驚いたよ。本当に嬉しいことだね。歴史を作ることができて嬉しい。世界中の子供たちに『自分にもできるんだ』という刺激を与えられたらいいね。彼らにも、僕と同じことができるんだ」とコメント。さらにこう続けている。
「どんな宗教を信じていようと、まずは神を信じればいいんだ。僕にとっては『アッラーフ・アクバル』で、彼は決して見捨てたりしない。今日のような日は神のおかげで、僕にとっては特別な日なんだ。これまでの道のりは決して楽じゃなかった。少し感傷的になったね。これで正式にイングランド代表選手になれて、心から嬉しいよ」
イギリスで400人以上のムスリム・アスリートを支援する団体「Nujum Sports」は、『BBC』に対して「これはイギリスのムスリムにとって祝福すべき瞬間だ。ジェドは、イングランド代表のためにプレーしているだけではなく、世界中のムスリムのためにプレーしている。今や彼は、障壁を打ち破るロールモデルだ」とコメントした。
また、FA(イングランドサッカー協会)の人種平等諮問委員会の元委員長であるユヌス・ルナット氏も、「彼が自分の信仰を公言し、それを祝福することに抵抗がないのは素晴らしいこと。この国で接してきたムスリムの子どもたちは、みんなイングランド代表でプレーすることを夢見ている。他の国、両親の国ではなく、ただイングランド代表だけを夢見ている。それだけのことなんだ」と賛辞を送った。


