28日にEURO2020のラウンド16、クロアチア対スペインは延長戦の末、5-3でスペインが勝利を収めた。
2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)で準優勝を果たしたクロアチアと、2014年ブラジルW杯でグループステージ敗退を喫し、EURO2016、ロシアW杯ではラウンド16敗退とかつての黄金期が遠くなりつつあるスペインの対戦。舞台はデンマークの首都コペンハーゲンにあるパルケン・スタンディオンだ。
ともに4-3-3のシステムを使用した試合の立ち上がりは、スペインがボールを保持して、クロアチアがミドルゾーンでのプレスから速攻を狙う展開となる。スペインはサラビア、コケ、モラタと次々に決定機を迎え、先制点を決めることを予感させた。
だがしかし、スコアを先に動かしたのはクロアチアだった。20分、ペドリのバックパスをGKウナイ・シモンがトラップし損ねて、転がるボールがそのまま枠内へ……。スペインのあってはならないミスからの先制に、パルケン・スタディオンに大挙として押し寄せたクロアチアサポーターは大きな歓声をあげている。
スペインはオウンゴールの影響か勢いを落とし、クロアチアに押し込まれる場面も何度か許してしまう。だが序盤に優勢だったこともまた事実であり、38分にそのプレーぶりを同点弾に昇華した。ペドリの侵入から混戦となったペナルティーエリア内で、ガジャが放ったシュートをリヴァコヴィッチが弾くと、サラビアがこぼれ球を叩いて枠内に突き刺している。なおサラビアは優勝したEUROの2012年大会以来、決勝トーナメントで得点を記録したスペイン人選手となった。
スコアをタイに戻したスペインは、その後もサラビア&フェラン・トーレスの両ウィングがコケ&ペドリの両インサイドハーフとの連係から鋭い仕掛けを見せてチャンスを量産。しかしモラタらがこれを決め切れず、逆転弾までは奪えずにハーフタイムを迎えている。
後半の立ち上がりはクロアチアがモドリッチ&コバチッチを中心としたゲームメイクから攻勢を見せるが、10分経つと再びスペインがボールを支配。すると57分、スペインがついに逆転弾を記録した。左サイドからの展開で、フェランが上げたクロスをペナルティーエリア内まで突き進んでいた右サイドバック、アスピリクエタが頭で押し込んでいる。
リードを得たスペインは、得意のポゼッションによって反撃に出たいクロアチアの勢いを削ぎ続ける。ボールを失って速攻を仕掛けられるときには、やはりブスケッツの潰しが利いていた。ブスケッツはゲームメイクにおいても格別の存在感を発揮しており、スペインがボールを回しているときにはクロアチアよりも圧倒的に少ない彼らのサポーターが「オレ! オレ! オレ!」を合唱している。
ハーフタイムにクラマリッチをペトコビッチに代えていたクロアチアのダリッチ監督は、67分にレビッチをオルシッチと交代させる。一方のルイス・エンリケ監督は71分にサラビアとエリック・ガルシアをダニ・オルモとパウ・トーレスに代えた。
そして77分、スペインが3点目を決めた。ガジャが負傷でピッチ外に出て、ジョルディ・アルバが出場の用意をしながら試合はリスタートの笛。10人のスペインだったが、左サイドでフリーとなっていたフェランがロングボールを受けると、そのままペナルティーエリア内に入り込みシュートを決め切った。
L・エンリケ監督は3点目の直後、J・アルバを入れたほか、コケとフェランを下げてファビアンとオジャルサバルも投入。だがW杯準優勝チームも失うものは何もないと意地を見せる。ブレカロ、ブディミル、パサリッチもピッチに立たせたクロアチアは86分、ペナルティーエリア内右に侵入したモドリッチの折り返しから混戦となった中でオルシッチが1点を返す。また92分には左サイドのクロスからパウ・トーレスとの競り合いに勝利したパサリッチがヘディングシュートを決め、土壇場で同点に追いついた。試合は、延長戦に突入する。
延長戦前半はまずクロアチアが後半終盤の勢いを継続するが、シモンのファインセーブなども飛び出してゴールを決めることはかなわず。そうしてスペインが徐々に盛り返していくと100分、ここまで批判を受け続けてきたモラタが勝ち越し弾を決めた。ペナルティーエリア内左に位置したユヴェントスFWは、左サイドからのクロスを右足で巧みに落として、左足のシュートでネットを揺らした。スペインはさらに103分、ダニ・オルモのグラウンダーのクロスからオジャルサバルが加点して再び2点のリードを得ている。
モラタ弾の直後にブスケッツも下げてロドリを入れていたスペインは延長戦後半、セーフティーなボール回しによってクロアチアの攻撃の機会を潰していく。対してダリッチ監督は、114分に35歳モドリッチとの交代でイヴァンシッツを投入。レアル・マドリー所属でスペインとも関係が深い35歳モドリッチは、スタジアム全体から喝采を浴びながらベンチへと下がっていった。スペインは今度こそ2点リードを維持しながら試合終了のホイッスルを迎えて、EURO2012から9年ぶりにベスト16の壁を破っている。
