16日のラ・リーガ第29節、本拠地シビタス・メトロポリターノでのアルメリア戦で2-1の勝利を飾ったアトレティコ・マドリー。ディエゴ・シメオネ監督は、チームが復活を遂げたことへの手応えを示しつつ、シーズン最後の直線に向けて気を引き締め直してる。
アトレティコが息を吹き返した。今季前半戦にはラ・リーガで低調だっただけでなく、チャンピオンズリーグ・グループステージを最下位で終えてシメオネ監督政権の終焉が噂されることになったが、カタール・ワールドカップ(W杯)後から復調。ラ・リーガではここ13試合10勝3分けと無敗を貫き、ここ6戦は全勝を収めている。
アトレティコが復活を果たした要因は複数ありそうだ。一つはFWアントワーヌ・グリーズマンが再びエースとしての君臨するようになったこと。シーズン前半戦にはアトレティコとバルセロナの駆け引きにより出場時間が30分に限定されていたフランス代表FWは、決勝まで進んだW杯から好調を維持し続けている。まるでピンク髪が世界で大流行しているように、ピンク髪の選手が何人もいるかのように、ピッチのどこにでも顔を出して攻守にわたって貢献。ビルドアップ、ラストパス、フィニッシュ、さらにはボール奪取と、あらゆるプレーに参加する“汗かきのエース”としてチームを牽引している。
そのほかコケが3-5-2のアンカーを務めるようになり、中盤の底でプレーでも精神的にもチームをまとめ上げていること。序盤戦は怪我などの影響があって常時出場がかなわなかった鉄壁のDFコンビ、ステファン・サビッチとホセ・マリア・ヒメネスが安定感を取り戻し、DFマリオ・エルモーソが復活したことも要因と言えそうだ。無敗を貫くここ13試合の失点数は6、得点数は24となっている。
シメオネ監督はアルメリア戦後の会見で、好調のチームについて次のように語った。
「チームの調子は良い。良いプレーを、高いインテンシティーのプレーを見せている」
「私たちが死んだとみなした人たちもいたが、いつだって最後まで待ってみないといけない」
ラ・リーガ3位のアトレティコと2位レアル・マドリーとの勝ち点差は2、次節に対戦する首位バルセロナとは13差となっている。現在の好調ぶりとバルセロナの低調ぶりから「ラ・リーガの優勝争いが終わっていない可能性は?」と問われたアルゼンチン人指揮官は、何も決めつけることがなかった。
「現実にある以上のことは話さない。私たちが見据えるべきは現実のことにほかならないんだ。現実はあるチームと勝ち点13差離れていて、後方からは9差と11差で追ってきている。私たちは私たちのことに集中するだけ、努力し続けるだけだ」
「これは学校の成績と一緒だよ。成績が決まるのは最後であり、どうなるのか見てみようじゃないか」


