29日のラ・リーガ第32節、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのアルメリア戦に4-2で勝利したレアル・マドリー。この試合の2点目を導いたFWロドリゴのドリブル突破は、今後も語り継がれることになりそうだ。
ラ・リーガの優勝争いがほとんど決している状況で、消化試合にも捉えられたこの一戦だったが、ロドリゴのプレーがフットボールファンの記憶に深く刻まれるものとした。
そのプレーが生まれたのは、1-0で迎えた17分のことだ。ブラジル人FWはMFルーカス・バスケスのスルーパスからペナルティーエリア内に侵入。MFサム・コスタの執拗なプレスを受けながらゴールライン際まで進むと、右足ヒールでボールを蹴り出してサム・コスタの後ろに通し、自身も彼の体の反対側を通ってプレスを回避した。自らの妙技で自由を得たロドリゴは右足でマイナスのパスを出して、FWカリム・ベンゼマのゴールをお膳立てしている。
ロドリゴのこのプレーは、大きな称賛を浴びることになった。元スペイン代表DFで、レアル・マドリーのワン・クラブ・マンとして知られるマノロ・サンチス氏はスペイン『カデナ・コペ』で「これまでベルナベウで見てきた中でもベスト級のプレーだ」と発言。またスペイン『マルカ』は「ロドリゴが実現したことはオールドトラフォードでのフェルナンド・レドンド、ロマーリオのラファエル・アルコルタを抜いたプレー、カミネロがカンプ・ノウでやってのけたクライフの模倣……などと同じ高みにある」と記した。
なお当のロドリゴ本人は、そのプレーを次のように振り返っている。
「ほかにできることがなかったから、自分へのパスを出した。突破口がそれしかなかったんだよ。良いヒールパスだったし、その後カリムのゴールをアシストできたね」
その後、ミドルシュートで自らもゴールを決めたロドリゴは、途中交代の際にスタンディングオベーションを受けながらベンチへと引き上げている。22歳の若手FWは、アマンシオ氏、フアニート氏、ブトラゲーニョ氏、フィーゴ氏らのドリブル突破を見てきた、目の肥えたベルナベウの観客にとっても特別な存在になりつつあるようだ。




