レアル・ソシエダは14日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦ファーストレグ、敵地パルク・デ・プランスでのパリ・サンジェルマン(PSG)戦に臨み、0-2で試合を落とした。MF久保建英は先発フル出場を果たしている。
インテルらと同居したCLグループステージを3勝3分けで突破したソシエダがベスト16で対戦するのは、エンバペらを擁するフランスの雄・PSGである。
この一戦まで384分間ノーゴールなど、決定力に問題を抱えているイマノル監督のチームだが、負傷中のオヤルサバルは間に合わずベンチ外に。スタメンはGKレミーロ、DFトラオレ、スベルディア、ル・ノルマ、ガラン、MFブライス、スビメンディ、ミケル・メリーノ、FW久保、アンドレ・シウバ、バレネチェアとなった。
前半、ボールポゼッションで勝っていたのはPSGだったが、序盤にエンバペが惜しいシュート(レミーロがセーブ)を放った以外、その攻撃は効果性を欠いた。よりゴールに近づいたのはソシエダ。近づかせたのは、このチームで最も違いを生み出せる存在、久保だった。
久保はこの冬の市場でブラジルのサンパウロからPSGに加わった20歳の左サイドバック(本職はセンターバック)、ベラルドを相手にその実力を誇示していった。日本代表MFはまず17分、右サイドからペナルティーエリア内に侵入し、ベラルドを切り返しで翻弄してから左足でシュート。しかし、これは惜しくも枠の右に外れてしまった。
久保はさらに22分、右サイドでベラルドと対峙すると、左足を素早く振ってペナルティーエリア内にクロス。高精度のボールはアンドレ・シウバの頭にピタリと合ったが、こちらも枠を捉えることはできず。右サイドで抜群の存在感を放つ背番号14はさらに44分にも、鋭いクロスからチャンスを供給するも、こちらはダニーロのクリアに遭っている。
ソシエダは45分にミケル・メリーノがクロスバー直撃となるミドルを放つなど、得点を予感させ続けながらも結局スコアレスのまま前半を終えた。そうして迎えた後半、58分についにスコアが動いた。動かしたのはホームのPSG、エースのエンバペだった。
PSGの右CKの場面、ペナルティーエリア中央に送られたクロスがマルキーニョスの背中に当たってファーに流れると、そこでフリーとなっていたエンバペが右足でボールを枠内に押し込んでいる。エンバペがフリーとなっていたのは、久保がカウンターを仕掛けることを意識してか少し前に動き出し、マークを外してしまったため。……しかし、そもそもアタッカーの久保がエンバペのマークについていたのが、少しおかしなことなのだが。
ビハインドを負ったソシエダは前がかりとなって攻撃を仕掛けるも、久保への対策(ラ・リーガでみられるような徹底マーク)も講じられたこともあり前半のようにはチャンスを生み出すことができない。すると70分、PSGが狙い通りの速攻を仕掛け、バルコラがトラオレを抜き去ってペナルティーエリア内に侵入し、ゴールを陥れている。
66分にバレネチェアをザハリャンに代えていたイマノル監督は、2点差とされた後にル・ノルマン、アンドレ・シウバ、ブライスを下げてパチェコ、サディク、トゥリエンテスを投入し、また88分にはハビ・ガランをアランブルに代える。
意地の攻撃を仕掛けるソシエダは89分、久保のさらなるお膳立てからパチェコがシュートを放つも、これもボールは枠外へ……。結局、ソシエダは1点を返すこともなく終了のホイッスルを迎え、PSGが先勝。ソシエダは、5試合連続無得点となった。
なおソシエダの本拠地アノエタでのセカンドレグは、3月5日に行われる。




