10日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第6節、レアル・マドリー対マンチェスター・シティは2-1でシティの勝利に終わった。
マドリー対シティ……近年のCLのクラシックマッチとも言える対戦である。ここ5シーズンは立て続けに対戦しており、マドリーが3回ラウンドを突破し(その内2回で優勝)、シティが2回突破(1回優勝)している。
ノックアウトラウンドではなくリーグフェーズで行われる今回の対戦で、より勝利を求めているのはマドリーか。スペインの盟主は現在、ここ7試合を2勝3分け2敗で終えるなど一気に調子を落としており、今夏からチームを率いるシャビ・アロンソ監督がこの試合の結果・内容次第では解任される可能性も報じられている。ただ同指揮官は、ヒザに問題を抱えたエースのエンバペを先発では使えず、右からロドリゴ、ゴンサロ、ヴィニシウスを並べる3トップでこの一戦に臨むことを余儀なくされている。
試合は予想通りというべきか、シティがボールを保持して攻め込み、マドリーが速攻で応戦する展開。マドリーは集中した守備を見せてシティのシュートをほとんど許さず、ヴィニシウス、ロドリゴの即興性を生かしたプレーから相手ゴールへ迫っていく。これまでの低調ぶりを払拭するかのように、気持ちのこもったプレーだった。
そうして28分、マドリーがベルナベウを沸かせる先制点を記録した。左サイドのカレーラスのボール奪取からカウンターを発動。中央のベリンガムからダイアゴナル・パスを受けたロドリゴがそのままペナルティーエリア内右に侵入し、右足のシュートを対角線上に決め切った。ロドリゴは今季初得点。今年3月4日に行われたCLベスト16のアトレティコ・マドリー戦以来、じつに33試合ぶりのゴールとなった。
先制したマドリーだったが、リードを得ている時間は長くは続かない……。35分、流れの中からチャンスを得られないシティがセットプレーから同点に追いつく。CKからグヴァルディオルがヘディングシュートを放ち、GKクルトワがボールをキャッチできず前に跳ね返すと、そこに詰めたオライリーが枠内に押し込んだ。
シティはさらに42分、リュディガーがペナルティーエリア内でハーランドを倒したとの判定でPKを獲得。キッカーのハーランドが枠の左にボールを流し込み、スコアをひっくり返した。ベルナベウはわずか7分間の逆転劇に一気にトーンダウン。また前半ATには、速攻からハーランドがさらなる決定機を手にしたが、ここではクルトワが超絶セーブを見せている。
後半、シティは勝負を決めるつもりで攻勢を仕掛けるが(とりわけドクが再三にわたって左サイドを突破していた)、なかなか3点目を決め切ることができない。対してマドリーは前半30分までの勢いを完全に失い、完全に劣勢に回った。シャビ・アロンソ監督は58分に1枚目の交代カードを切り、完全には機能していなかったゴンサロを下げてギュレルを投入。さらに68分にはセバージョスをブラヒムに代え、アタッカーの数を増やしている。
二つ目の交代策からボールを保持する時間が増えたマドリーだったが、前にボールを運ぶ術を見つけることができない。アイデアなく後方でボールを回し続け、前半のように戦う気持ちも感じられず……観客はそんなチームに対して、容赦なくブーイングを浴びせるようになっていた。
シャビ・アロンソ監督は79分、3つ目の交代策としてラウール・アセンシオをエンドリッキに代え、さらに攻撃偏重の布陣を敷く(エンバペはおそらく最初から起用できる状態ではなかったのだろう)。
守備に大きなリスクを背負いつつ、ファイアーフォーメーション気味で攻めるマドリーは、エンドリッキらがチャンスを迎えていくも決め切ることができず。結局、同点に追いつくことはかなわず、シティが1点をリードしたまま試合終了のホイッスルを迎えている。終了直後、ベルナベウの観客はピッチに指笛を吹く人たち、無言で帰路につく人たちに別れた。シャビ・アロンソ監督解任の可能性は、さらに大きく報じられることになりそうだ。
なおシティはリーグフェーズの成績を4勝1分け1敗として4位に位置。マドリーは4勝2敗で7位につけている。




