11日に行われたスペイン・スーパーカップ準決勝レアル・マドリー対バレンシアは120分間を1-1で終え、PK戦4-3でマドリーが勝利を果たした。
今回で3回目となるサウジアラビア開催のスーパーカップ。スペインフットボール連盟(RFEF)は同国から4000万ユーロを受け取り、クラブの分配はマドリーとバルセロナが280万ユーロずつ、バレンシアとベティスが75万ユーロずつ……さらに勝利毎に100万ユーロを手にできる(ピケが運営するコスモス社が400万ユーロ、残りはRFEFに)。
初戦で対戦するのは、昨季ラ・リーガ王者マドリーとコパ準優勝バレンシア。チュアメニとアラバを負傷で欠くアンチェロッティ監督は、さらにモドリッチをベンチに置いてGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、ミリトン、リュディガー、ナチョ、MFバルベルデ、クロース、カマヴィンガ、FWロドリゴ、ベンゼマ、ヴィニシウスを先発で起用している。
前半、最初に決定機を迎えたのは、大多数の観客が応援するマドリー。14分、ベンゼマがドリブルでペナルティーエリア内に侵入すると、キュマルトを股抜きでかわす美技からシュートを放ったが枠を捉えられない。その直後にはバルベルデが得意のミドルからゴールをうかがったものの、こちらもわずかに枠の外に飛んでいる。対して、ガットゥーゾ監督率いるバレンシアも気圧されることなく、19分にガジャのクロスからカバーニがヘディングシュートを放ったものの、こちらはクルトワの好守に遭っている。
スコアが動いたのは、39分のこと。先制したのはマドリーだった。ミリトンの超精度のロングフィードからベンゼマが最終ラインを突破し、ペナルティーエリア内でキュマルトに倒されてPKを獲得。ベンゼマ自身がこれを決め切った。ベンゼマはワールドカップ中断後の3試合で4ゴールを記録している(その内3得点がPKから)。
前半はマドリーの1点リードで終了したが、後半開始直後にそのリードは解消された。46分、バレンシアが同点に追いつく。右サイドのラトがクロスを上げると、ファーのサムエル・リノが右足ダイレクトでボールを叩きクルトワを破っている。アンチェロッティ監督はハーフタイムにカマヴィンガをモドリッチに代えて試合をさらにコントロールしようとしていたが、プランが狂うことになった。
マドリーはかてて加えて67分、L・バスケスが着地の際にひざを痛めてプレー続行不可能となり、アンチェロッティ監督は負傷明けのカルバハルを投入。さらに73分には少し前に頭に受けた打撃のためかミリトンも交代を強いられ、代わりにメンディがピッチに立っている。
アクシデントによる選手交代も相次ぎ、マドリーはバレンシアに主導権を譲って自陣で試合を進めることになる。アンチェロッティ監督は84分に4枚目の交代カードを切り、存在感希薄だったロドリゴをアセンシオに代えた。終盤に入るとマドリーがやや勢いを取り戻したものの、87分にベンゼマが放ったヘディングシュートはクロスバーの上へ飛び、95分にカウンターからヴィニシウス、97分にミドルレンジからバルベルデが放ったシュートはGKママルダシュビリの好守に阻まれた。試合は延長戦に突入する。
延長戦前半、マドリーはママルダシュビリという壁を破ることができず。92分にヴィニシウス、102分にクロースがペナルティーアークからシュートを打ったが、そのどちらもバレンシア守護神の超絶セーブに遭う。1-1のまま延長戦前半が終了し、アンチェロッティ監督はバルベルデをセバジョスに代えて交代カードを使い切った。
延長戦後半、ゴールに近づいたのはバレンシア。111分、フラン・ペレスがペナルティーエリア内左に入り込みボールを叩いたが、こちらはマドリー守護神クルトワが超絶セーブを見せてゴールを許さなかった。結局、120分間で決着はつかずに試合はPK戦に突入している。
PK戦、先攻のバレンシアはカバーニ、後攻のマドリーはベンゼマがそれぞれ1本目を成功。そして2本目、バレンシアはキュマルトがクロスバーの上にボールを飛ばし、マドリーはモドリッチがシュートを決め切った。3~4本目はバレンシアがイライクス&ギジャモン、マドリーがクロース&アセンシオともに成功。そして運命の5本目、クルトワがガジャのシュートを止めてマドリーが勝利。バルセロナ対ベティスの勝者と対戦する決勝に進出した。
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