17日のラ・リーガ第32節、サンチェス・ピスフアンを舞台としたセビージャ対レアル・マドリーは3-2でマドリーの勝利で終了した。
残り勝ち点12を獲得すれば優勝を決められる首位マドリーにとって、最後の厳しい試練かもしれない3位セビージャとの直接対決。カセミロを出場停止、マルセロ&メンディの左サイドバック2人を負傷で欠くアンチェロッティ監督は、GKクルトワ、DFルーカス・バスケス、ミリトン、アラバ、カルバハル、MFモドリッチ、クロース、カマヴィンガ、FWバルベルデ、ベンゼマ、ヴィニシウスを先発で起用している。
ラ・リーガ最高の呼び声高いセビージャのクラブ創立100周年イムノがピスフアンに響き渡り、試合はキックオフのホイッスル。その勢いのまま、試合を優勢に進めたのはセビージャだった。左サイドから攻め込むロペテギ監督のチームは、まず21分に先制点を記録。ペナルティーエリア手前からのフリーキックで、ラキティッチが蹴ったシュートはマドリーの壁の間をすり抜けて枠内に収まった。セビージャはらにその4分後、テカティトが左サイドを突破してペナルティーエリア内に侵入し、そのお膳立てからラメラが追加点を決めている。
2点ビハインドを追ったマドリーは、ボールを保持してもインテンシティーもセビージャの守備ブロックを崩すアイデアもなく、1点を返すこともできないまま前半を終える。また前半には物議を醸すプレーも存在した。警告を1回受けていたカマヴィンガがその後、ボールに触れることなくマルシャルを後方から倒したが、クアドラ・フェルナンデス主審は2枚目のイエローカードを提示せず。マルシャルはそのタックルによってプレー続行不可能となり、ラファ・ミルと交代している。
ハーフタイム、アンチェロッティ監督はそのカマヴィンガとの交代でロドリゴを投入。そうして迎えた後半は、マドリーが一気にインテンシティーを高めて50分に1点を返す。左サイドでカルバハル、ヴィニシウスが鮮やかな連係を披露し、カルバハルの折り返しから最後はロドリゴがシュートを決め切った。
マドリーはさらに74分、今度はL・バスケスのクロスをファーのヴィニシウスがトラップして、右足のシュートをネットに突き刺した。が、これはクアドラ・フェルナンデス主審がヴィニシウスのハンドと判定。トラップした箇所は胸と腕のちょうど中間くらいだったものの、VARで映像を確認したフェルナンデス主審が判定を覆すことはなかった。ヴィニシウスはこのハンドに、失望と動揺を隠すことができなかった。
アンチェロッティ監督は81分に交代カードを2枚切り、モドリッチ&L・バスケスとの交代でアセンシオ&ナチョを起用。するとその2分後、CKの流れから、カルバハルの折り返しをナチョが押し込み、マドリーが今度こそ同点に追いついている。
マドリディスモ(マドリー主義)の根幹である不撓不屈の精神を発揮するマドリー。その精神は……、またも逆転まで届いてしまった!92分、ロドリゴがペナルティーエリア内右、ゴールライン際までドリブルで切り裂き、そのマイナスの折り返しからエース・ベンゼマが右足のシュートを決め切っている。試合は、3-2で終了のホイッスル。勝ち点を75としてセビージャに勝ち点15差をつけた首位マドリーは、あと勝ち点10を獲得すれば優勝を決められる状況となった。




