レアル・マドリーは5日にラ・リーガ第27節、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・ソシエダ戦に臨み、4-1で快勝した。
運命のパリ・サンジェルマン戦の直前に行われる試合。アンチェロッティ監督は負傷のクロース、風邪のバルベルデの代わりにカマヴィンガを起用して、GKクルトワ、DFカルバハル、ミリトン、アラバ、メンディ、MFモドリッチ、カセミロ、カマヴィンガ、FWロドリゴ、ベンゼマ、ヴィニシウスでスタメンを組んでいる。
試合は開始7分に動く。ペナルティーエリア内でカルバハルがシルバを踏みつけてPKを献上。キッカーのオジャルサバルが冷静にシュートを決め切り、ソシエダが先制した。
いきなりビハインドを負ったマドリーはボールを保持して攻め込むが、ソシエダの堅守を崩せない。イマノル・アルグアシル監督は、右サイドハーフに本職右サイドバックのサルドゥア、右サイドバックにスベルディアを起用してヴィニシウスがいるサイドの守備を強化。マドリーはソシエダが形成する4-4-2の守備ブロックを崩す術を見つけらないまま時間を過ごした。
ハイプレスも仕掛けて何とか打開しようと試みが、一向に手応えが得られないマドリー。だったが40分、アセンシオの代わりにこの男の左足が火を吹いた。カマヴィンガだ。フランス人MFはペナルティーエリア手前、ゴールから約25メートルの距離でボールを受けると、左足を一閃。強烈な勢いのボールが枠内右に飛び込んだ。
初めての枠内シュート、しかも高難易度のシュートを枠の中に収めたマドリーが、逆転弾を決めたのはそれからわずか3分後のこと。またもやミドルレンジからのゴールだった。CKの流れからペナルティーエリア内手前でボールを受けたモドリッチが、フェイントでシルバをかわしてから左足を振り抜くと、これまた強烈な弾道、威力のボールが枠内に突き刺さっている。理不尽とも言えるような2発で逆転してしまったマドリー。観客は「コモ・ノ・テ・ボイ・ア・ケレール(どうして愛さずにいられようか)」のチャントを歌っている。
後半は前半と打って変わって、右サイドのWサイドバックを止めて通常のシステムに戻したソシエダがボールを保持して攻め込み、マドリーが速攻からスペースを生かす展開に。引いて守る相手には打開策を持たないマドリーだが、こういった展開になればめっぽう強い。ベンゼマを中心にして、幾度も決定機を迎えていった。そして69分には、ヴィニシウスのソシエダDF陣に当たったヒールパスのこぼれ球からベンゼマがついにネットを揺らしたが、これは直前のロドリゴのオフサイドが取られたために、ゴールは取り消しになった。
追加点を奪えず、1点差のまま試合を進めていったマドリーだが74分、ヴィニシウスがペナルティーエリア内でアドゥリスに倒されたとの判定でPKを獲得。キッカーのベンゼマが今度こそ、このチャンスをしっかりと決め切って、ラ・リーガ得点数を一番乗りで20点台とした。アンチェロッティ監督はこのゴール直後、ロドリゴとの交代でアセンシオを投入している。
マドリーは79分に4点目も獲得。カセミロのクロースが乗り移ったかのような高精度のサイドチェンジからカルバハルが右サイドを独走。そのままペナルティーエリア内右に切れ込み、折り返したボールをアセンシオが押し込んだ。2点差としたアンチェロッティ監督はヴィニシウス、モドリッチ、カルバハル、ベンゼマを下げてセバジョス、マルセロ、マリアーノ、ルーカス・バスケスをピッチに立たせて交代カードを使い切る。終盤、マドリーはソシエダ陣地(ジョアフラ負傷で10人)で、セーフティにボールを回しながら試合終了までを過ごしている。
3連勝のマドリーは、前々日にアラベスと引き分けた2位セビージャに勝ち点8差をつけ、独走態勢に入っている。




