20日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第7節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのモナコ戦で6-1の大勝を収めた。
前試合レバンテ戦(○2-0)では、シャビ・アロンソ前監督解任および国王杯敗退の影響で、ベルナベウの観客から特大のブーイングを浴びせられたマドリー。しかし、その試合の後半には良質なパフォーマンスも披露し、アルベロア新監督率いるチームは未来への可能性も感じさせている。
レバンテ戦とは打って変わって、観客がチームを応援するムードとなったこのモナコ戦、アルベロア監督はGKクルトワ、DFバルベルデ、アセンシオ、ハウセン、カマヴィンガ、MFギュレル、チュアメニ、ベリンガム、FWマスタントゥオノ、エンバペ、ヴィニシウスを先発させ、4-3-3のシステムを使用している。
レバンテ戦の後半、マドリーのプレーが改善されたように見えたのは、前線のスペースメイクや2列目からの飛び出しが整理されていたからだった。そしてこのモナコ戦ではキックオフから5分後に先制ゴールを決め、その改善がフロックではないことが示している。ペナルティーエリア内右でボールを保持したマスタントゥオノが、エリア内中央に飛び込んできたバルベルデにパス。バルベルデはすぐ左にパスを出して、エンバペが右足のシュートでネットを揺らしている。モナコを古巣とするエンバペは両手を合わせて謝罪をしていた。
リードを手にしたマドリーは、モナコが攻めざるを得なくなったことで、ポゼッションのほか速攻からの攻撃も意識。守備時にマスタントゥオノが中盤まで下がって4-4-2となり(エンバペ&ヴィニシウスもしっかりプレスをかけていた)、ボールを奪うとトランジションからゴールへと迫った。そうして追加点を決めたのは、26分のことだった。ギュレルの絶妙なスルーパスからヴィニシウスが左サイドを突破。ブラジル人FWはアウトサイドでグラウンダーのクロスを送り、ゴール前に走り込んだエンバペがボールを枠内に押し込んでいる。
エンバペは今季CL6試合11得点、公式戦27試合32得点。マドリー通算では86試合75得点でグティ氏、グロッソ氏の記録に並んだ。まさにゴールを決めるマシーンだ。
その後も主導権を握り続けたマドリーだったが、モナコもバログンがポストプレーにフィニッシュと圧倒的な存在感を発揮し、ゴールを予感させる場面も。31分にはティーゼのミドルシュートがクロスバーに直撃。また42分にはバログンがゴール正面からシュートを放つも、これはクルトワが好セーブを見せている。対するマドリーは46分、ギュレルのクロスからエリア内に飛び出したベリンガムがヘディングシュートを打つも、これは枠を捉えられなかった。前半は2-0で終了する。
アルベロア監督はハーフタイムにアセンシオを下げてセバージョスを投入。チュアメニをセンターバックとしてセバージョスを中盤に据えた。
迎えた後半、マドリーは中盤やや下り目の位置で守備ブロックをつくり、トランジションを中心とした攻撃を見せる。3点目を決めたのは52分だった。エンバペのスルーパスからヴィニシウスがペナルティーエリア内に侵入。ヴィニシウスはエリア内中央でボールをキープし、右に飛び込んできたマスタントゥオーノのゴールを引き出している。
マドリーの勢いはその後も衰えず、今回はブーイングではなく拍手を浴びるヴィニシウスがさらなる躍動を見せた。まず55分、セバージョスが中盤でケーラーのパスをカットして左サイドのヴィニシウスにパス。背番号7がペナルティーエリア内にボールを送ると、これがケーラーのオウンゴールを誘発した。極め付けは63分だ。再び中盤でのボール奪取を起点にペナルティーエリア内でボールを持ったヴィニシウスは、横にスライドしながら右足を振り抜き、枠内右隅、ここしかないというコースにボールを突き刺した。ヴィニシウスはこの試合、1得点2アシスト1オウンゴール誘発と、獅子奮迅の活躍を披露。ゴールを決めた直後には、アルベロアと抱擁を交わしていた。
また66分には、エンバペが守備で称賛される場面も。背番号10は後方の守備の枚数が足りないと見るや、100メートル近くを全力で走って自陣ペナルティーエリア内に戻って、モナコの選手のマークについている。ベルナベウはその大迫力のスプリントを守りのために使ったエンバペに惜しみない拍手を送っていた。
アルベロア監督は71分に2枚目の交代カードを切り、こちらも大活躍だったマスタントゥオノをゴンサロと代える。しかしその直後の72分には、自陣ペナルティーエリアでクルトワのセバージョスへの縦パスを奪われてしまい、ティーゼに1点を返される。アルベロア監督は77分にはギュレル、カマヴィンガを下げてカルバハル、フラン・ガルシアを投入した。
そして80分、マドリーは今季初の6ゴール目を記録した。エンバペの直接フリーキックが壁に当たり、しかしすぐにボールを奪い返して波状攻撃を仕掛けると、ペナルティーエリア内でバルベルデのパスを受けたベリンガムが、GKケーンもかわしてボールを枠内に沈めている。結局、マドリーは5点リードで試合終了のホイッスルを迎え、数日前にはブーイングを浴びせていた観客に幸せな夜を過ごさせている。CLリーグフェーズの成績を5勝2敗としたマドリーは暫定で2位に位置。
調子を落とすモナコのパフォーマンスが悪かったのは明らかだった。とはいえアルベロア監督率いるマドリーは、選手の個人能力を生かす攻撃や各ライン間が適切な距離を取って仕掛ける一枚岩のプレッシングなど、モナコの低調ぶりを差し引いても復活を予感させるようなパフォーマンスを見せていた。




