スペインのスポーツ紙『アス』は、パリ・サンジェルマン(PSG)FWキリアン・エンバペのレアル・マドリー加入が間近に迫っているとの報道を否定した。
『マルカ』は29日付の1面で「あとは値段を定めるだけ」との見出しで、レアル・マドリーがエンバペ獲得寸前であることを報道。曰く、エンバペの母親ファイザ・ラマリ女史からPSGが移籍金として2億5000万ユーロ(約380億円)を求めていることを伝えられ、その額を2億2500~3000万ユーロまで引き下げられれば獲得を実現するとのことだった。なおPSGの移籍金には同クラブがエンバペに支払うはずだった年俸&各種ボーナスの補償費も含まれているとされる。
だが『マルカ』と同じくスペイン首都に本拠を構え、レアル・マドリーを主要に扱う『アス』がこの報道に反論。同紙によれば、レアル・マドリーはまったく状況が変わっていないにもかかわらわず、そうした報道があったことに「驚いている」とのこと。現状ではレアル・マドリー、PSG、エンバペとの間に交渉はまったく存在していないという。
『アス』はレアル・マドリーのこの件に関する見解を、次のように記してる。
「クラブ内ではエンバペが(PSGと)2024年6月30日まで結ぶ契約をまっとうすると考えられている。そのために彼らはまったくスタートもしていないオペレーションについて話されていることを奇異に感じている。交渉においてはどんな仲介人も使っておらず、使うこともない。なぜならば交渉をスタートさせるプランすらないからだ。白いクラブは移籍金額について何も見積もっていない。そんな舞台には立っていないのだから」
「エンバペがまもなくレアル・マドリーに移籍するという話は現実に即していない。パリで起こっていることはパリで起こっていることであり、マドリーで起こっているわけではない。加えて、アンチェロッティは来季のための陣容がすでに完成されていると話、マドリーは新チームに大きな期待を抱いている」
なお『マルカ』でエンバペのレアル・マドリー移籍が間近に迫っていると報じたのは、同紙副編集長の一人であり、これまでの同クラブが実現した大型移籍でもスクープを連発してきたカルロス・カルピオ氏。その一方で『アス』でその報道を否定したのは、かつてレアル・マドリーでコミュニケーション・ディレクターを務めたホアキン・マロト氏だ。マロト氏はSNSで「(レアル・マドリーとPSGの)交渉はないし、なかった。そこからは皆、好きなように話せばいい」「現時点で交渉はないし、これからもないはず。これから30日間で、誰が一番誠実か分かるはずだ」ともつぶやいている。


