9日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ、レアル・マドリー対マンチェスター・シティは1-1のドローで終了した。
昨季も準決勝で激突した両者、プレーも財政もツボを押さえた的確なやり繰りで欧州の盟主の座を維持するマドリーと、際限のない資金力と世界最高の呼び声高い戦術家ジョゼップ・グアルディオラ監督とともにその座を狙うマンチェスター・シティの再戦だ。ちなみにグアルディオラ監督がシティに到着した2016年以降、同クラブは補強に12億8000万ユーロ(選手の売却収入5億7500万ユーロ)を投じ、対してマドリーは7億200万ユーロ(売却収入7億1700万ユーロ)しか使っていない。
試合は予想通り、シティがボールを保持してマドリーが速攻を狙う展開に。マドリーはハイプレスを仕掛ける狙いも見えたが、シティの巧みなビルドアップを前にはまらずズルズルと後退していった。ただハーランドを生かした攻撃については、リュディガー&アラバが彼に徹底的にスペースを与えなかったことで可能な限り封じ、シティの攻撃はデ・ブライネ&ロドリのミドルレンジからのシュートがメインとなった(いずれもGKクルトワがセーブ)。
70%近くのポゼッションを記録して攻め続けるシティは、15分を過ぎたあたりでついにハーランドがベルナベウに緊張を走らせる。ペナルティーエリア内、ノルウェー代表FWが厳しい角度から放ったシュートはクルトワの正面。その1分後には、今度はヘディングからゴールをうかがったが、これもマドリー守護神の正面に飛んでいる。
対するマドリーもシュートを打つまでには至らないものの、選手たちの個人技を中心とした攻めで、観客に「ウイ!」と声を出させる場面を生み出していく。25分、前線でボールを奪ったヴィニシウスがグラウンダーのクロスを送るも、これは走り込むベンゼマまで届かず。また32分にロドリゴが送ったクロスは、ヴィニシウスの頭にわずかに合わなかった(シュートはなくとも、ゴールにはより近づいていたかもしれない)。
そうして36分、スコアが動いた。動かしたのはホームのマドリー。グアルディオラ監督のチームにずっとボールを持たれている状況ながら、この試合1本目のシュートを物にしている。
モドリッチとのワン・ツーからカマヴィンガが左サイドを突破。ペナルティーエリア手前で中央のヴィニシウスに横パスを出すと、ブラジル人FWがペナルティーアーク付近から右足を一閃。異常に柔らかな足首で、走っている方向(右斜め前)とは逆の左斜め前にシュートを打ち、勢いあるボールが枠の左隅へと飛び込んでいる。前半はそのままマドリーの1点リードで終了。シュート数はマドリーが1本、シティが6本(枠内シュート4本)だった。
迎えた後半は、リードを得たマドリーが逆にボールを保持して攻め上がる意思を示し、シティの攻撃の機会を削ぎながら追加点を狙う。しかしながらロドリゴ、バルベルデ、ヴィニシウスは迎えたシュートチャンスを決め切ることができなかった。
すると67分、またスコアが動く。次に動かしたのは、前半とは打って変わって劣勢だったシティ。ロドリがカマヴィンガのボールを奪い、一気にマドリーのゴール前に詰め寄ると、デ・ブライネがヴィニシウス弾の衝撃にも劣らない強烈なグラウンダーのミドルでクルトワを破っている。このゴールに、意気盛んだったベルナベウの観客を一気に静まり返ってしまった。
その後マドリーはクロース、ロドリゴ、モドリッチを下げてチュアメニ、アセンシオ、ナチョを投入。対するグアルディオラ監督は一人も交代カードを使わなかった。終盤はマドリーが猛攻を見せてシティゴールに襲いかかったが、1-1でも良しという様子のシティを前にチャンスをなかなか生み出せず。結局、同点のまま試合終了のホイッスルが吹かれている。なおシティホームのセカンドレグは、17日に行われる。




