14日のラ・リーガ第36節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのマジョルカ戦を2-1で制した。
前節のクラシコを3-4で落として、マドリーのラ・リーガ逆転優勝の可能性は事実上消滅。マドリーがこのマジョルカ戦を引き分け以下で終えるか、バルセロナが翌日のエスパニョール戦で勝利すれば、数字上でもラ・リーガ優勝争いの決着がつく状況だった。
マドリーは野戦病院化が激しく、カルバハル、ミリトン、リュディガー(加えて出場停止)、メンディ、アラバ、カマヴィンガに続いて、クラシコでヴィニシウス、ルーカス・バスケス、マジョルカ戦前日にロドリゴ、当日にブラヒム、ルニンも負傷。さらにチュアメニが出場停止とトップチーム登録(アセンシオは含まれず)で起用可能な選手は、わずか10人のみとなっている。
アンチェロッティ監督はBチームから8選手を呼び寄せたが、競技規則ではトップチームの7選手がピッチに立っていなくてはならず、デリケートな采配が求められることになる。同指揮官が選んだスタメンはGKクルトワ、DFバルベルデ、ハコボ(Bチーム)、アセンシオ(Bチーム)、フラン・ガルシア、MFギュレル、セバージョス、モドリッチ、ベリンガム、FWエンドリッキ、エンバペ。一方のマジョルカは、試合当日に浅野拓磨がハムストリングの負傷で招集リストから外れている。
前半、マドリーは立ち上がりにエンドリッキ、ベリンガムが決定機を迎えるも、どちらもGKレオ・ロマンのセーブに遭う。そして11分にマジョルカが先制点を獲得。ペナルティーエリア内右でスルーパスを受けたヴァルイェントが、左足のシュートでクルトワを破っている。
ビハインドを負ったマドリーは、マジョルカを自陣に押し込んで攻め続けたが、彼らの5バックを崩す形が見つからない。フィニッシュはミドルシュート一辺倒となったが、モドリッチ、エンバペ、バルベルデらが次々に叩いたボールは、いずれもレオ・ロマンに防がれた。前半は0-1のまま終了する。
迎えた後半もマドリーがマジョルカ陣地でゲームを進める状況は変わらない。アンチェロッティ監督は63分、負傷したアセンシオとの交代でバジェホを投入。その後も攻勢を見せたマドリーは、68分にエンバペのゴラッソで同点に追いついた。モドリッチのパスをペナルティーエリア内右で受けたフランス代表FWは、細かく敏捷なステップで2人をかわし、強烈な右足のシュートでレオ・ロマンを破った。エンバペはこれが今季ラ・リーガ28得点目(公式戦40得点目)。2位レヴァンドフスキに3点差をつけ、得点ランク首位を走っている。
アンチェロッティ監督は73分にエンドリキとの交代でセンターフォワードのゴンサロを入れて、さらに攻勢を強めた。マジョルカをペナルティーエリア内に包囲し、エンバペ、ベリンガム、ギュレル、ゴンサロらが決定機を迎え、その度にベルナベウの観客は歓声を上げたが、しかしレオ・ロマンらの再三にわたる好守にも遭ってボールが枠内に入らない。
試合はそのままアディショナルタイムに突入。そして95分、クルトワも上がってきたコーナーキックでドラマが起こった! モドリッチの上げたクロスがマジョルカDFに跳ね返され、こぼれ球を拾ったフラン・ガルシアが左足で前方にキックし、エリア手前のバジェホが頭でボールをエリア内に送り、最後はハコボが右足のシュート決め切っている。マドリーは“らしい”劇的逆転劇をまたも成し遂げて、バルセロナの優勝を少なくとも1日遅らせている。
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