22日のラ・リーガ第2節、レアル・マドリーは敵地シウター・デ・バレンシアでのレバンテ戦を3-3のドローで終えた。
開幕節アラベス戦で「これこそが進むべき道」と言えそうな良質なパフォーマンスを披露したレアル・マドリー。アンチェロッティ監督は3トップのアザール、ベイル、ベンゼマの3トップ“HBB”をこの試合でもスタメンとして、モドリッチ&クロースが負傷している中盤にはカセミロのほかバルベルデ&イスコを起用。アラバは再び左サイドバックを務めた。
レアル・マドリーが先制点を決めたのは、開始から4分後のことだった。アラバのロングボールからベンゼマが左サイドを突破してペナルティーエリア内左に侵入。フランス代表FWがためてから折り返したボールをベイルが押し込んでいる。
幸先よくリードを奪ったレアル・マドリーはその後、良質なプレッシングを見せるレバンテの攻撃も受けたが、ミリトン&ナチョを中心とした守備でそれを跳ね返し続ける。またイスコの好プレーを起点とした攻撃で追加点を狙ったが決め切れず、結局1-0のまま前半を終えた。
迎えた後半は様相が一変し、レバンテが開始から1分も経たずして同点弾を記録。アザールからボールを奪取したことをきっかけにゴール前まで詰め寄ると、ルーカス・バスケスの背後を取ったロジェーがGKクルトワとの1対1を制する。また57分にはクロスから、こちらもL・バスケスの背後を取ったカンパーニャがボレーを突き刺してスコアをひっくり返した。
ビハインドを負ったアンチェロッティ監督は60分、アザール、イスコ、ベイルを下げてロドリゴ、ヴィニシウス、アセンシオを投入。さらに64分には、とりわけ1失点目に大きく関与したL・バスケスを下げてカルバハルもピッチに立たせた。
レバンテの堅守を前に攻めあぐねるレアル・マドリーだが、やはり個々人のクオリティーの高さに由来するワンプレーの強みがあった。72分、自陣ゴールライン際でのボール奪取から中央のカセミロがパスを受けると、ピッチを滑るような抜群のスルーパスをヴィニシウスに送る。このボールからペナルティーエリア内左に入り込んだブラジル代表FWは、適切なタイミング、精度のシュートでGKアイトール・フェルナンデスを破り、2試合連続得点を決めた。
同点に追いついたレアル・マドリーだったものの、その直後にはセットプレーからロベールのゴールを許して再び1点のビハインドを負う。さらに82分にはカンテロにポストに当たるシュートを打たれて肝を冷やした。厳しい展開を強いられ続けたが、そうしたムードを払拭する選手がいた。ヴィニシウス・ジュニオールである。
84分に迎えたCKの場面、ファーに流れたボールからベンゼマがペナルティーエリア内左にスルーパスを送り、ヴィニシウスがボールを受ける。21歳のFWはそこから縦にボールを持ち込むと、突として巧みに右足のアウトサイドでループシュート。A・フェルナンデスも反応し切れなかったボールが、枠内右に収まっている。ヴィニシウスはさらに87分、速攻からのドリブルでA・フェルナンデスの退場をも導き、間違いなくこの試合の主役となった。
試合は結局、3-3のまま終了のホイッスル。しかしレアル・マドリーにとっては、ヴィニシウスがついに覚醒を果たしたという強烈な印象を植え付ける一戦にもなった。




