今夏にレアル・マドリーに加わったFWエンドリッキが、わずかな出場時間で衝撃的な活躍を披露している。
移籍金4500万ユーロ+インセティブ2500万ユーロでパルメイラスからレアル・マドリーに加入したエンドリッキ。マドリーでこれまで出場してきた公式戦6試合ではいずれも試合終盤からピッチに立ち、出場時間はわずか25分にとどまるが、その中で2得点1PK奪取の活躍ぶりを披露している。何より、得点につながるすべてのプレーが衝撃的なのだ。
エンドリッキはマドリーの公式戦デビューとなったラ・リーガ第2節、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのバジャドリー戦(3-0)で86分から出場し、いきなりゴールを記録。ペナルティーエリア手前から利き足とは逆の右足で軽く振ったように見えたが、ボールはその印象とは反対に強烈な勢いで枠内に飛び込んだ。
2ゴール目を記録したのはチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第1節、ベルナベウでのシュトゥットガルト戦(3-1)。81分から出場したブラジル代表FWはアディショナルタイムに迎えたカウンターの場面で、FWキリアン・エンバペなど偉大な先輩FWたちが横にいながらも単身ドリブルで持ち上がり、今度は利き足の左足でミドルシュートを放った。あれだけ速かった右足を上回る暴力的なスピードと威力のボールは、GKが跳ね返し切れずに枠内に収まっている。
そしてシュトゥットガルト戦から4日後となるラ・リーガ第6節、ベルナベウでのエスパニョール戦(4-1)で、エンドリッキはゴールこそなかったものの、まるでラグビーや相撲を見ているかのような衝撃的なプレーを披露した。右サイド深い位置からペナルティーエリアを目指してドリブルを開始すると、後ろから両腕でがっつりつかんできたカルロス・ロメロを凄まじい馬力で数メートル引きずり続け、エリア内に入った瞬間に倒れてPK奪取。エンバペに4試合連続ゴールをお膳立てしている。
その尋常ではないキック力、脚力、馬力でレアル・マドリーサポーターの度肝を抜くエンドリッキだが、カルロ・アンチェロッティ監督も同選手にはチームメートにはない「特別な何かがある」ことを認める。
「エンドリッキは速く、力強さがある。限られたスペースで、わずかな時間で最高速に到達する。マークを外す動きだってうまいね。そのような特徴を持った選手を目にするのは、非常に稀なことだ」
「エンドリッキは謙虚で、黙って練習に取り組むタイプだ。そういった選手は私好みだよ」
ではアンチェロッティ監督は、結果を残し続けるエンドリッキを今後レギュラーとして起用する考えはあるのだろうか。
「私は不公平な人間だよ。エンドリッキは素晴らしい姿勢で練習に取り組み、凄まじいクオリティーを有している。しかし彼の前にロドリゴ、ヴィニシウス、エンバペがいるんだ……。エンドリッキは落ち着きを保たなくてはならない」
エンドリッキは今後も限られた時間で、結果を残していくことが目標となりそうだ。ただ、これからも続く過密日程の中で、今後ローテーションの一環として先発する可能性も噂されており、24日のラ・リーガ第7節、ベルナベウでのアラベス戦で早速スタメンに名を連ねることもささやかれている。これまでは相手の疲労が溜まっていた状況で出場してきたエンドリッキだが、キックオフの段階からプレーしてもその特徴を発揮できるかどうかも、一つの挑戦になるだろう。




