4日のラ・リーガ第23節、サンティアゴ・ベルナベウを舞台としたレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーのダービーは1-1のドローに終わった。
今季4回目、そしてスペイン・スーパーカップ準決勝、コパ・デル・レイ準々決勝でも対戦したために、ここ1カ月では3回目となるマドリーダービーだ。ここまでの成績では、西スーパー杯以外の2試合で勝利を収めたアトレティコがリードしている。
3回目の対戦ではコパ敗退に追いやられ、ベルナベウでリベンジを期するレアル・マドリーは、ウォームアップ中にスタメン予定のヴィニシウスが頚椎を痛めてベンチスタートに。アンチェロッティ監督は代わりにブラヒムを起用し、GKルニン、DFルーカス・バスケス、カルバハル、ナチョ、メンディ、MFバルベルデ、クロース、カマヴィンガ、ベリンガム、FWブラヒム、ロドリゴで先発を組んだ。
対してシメオネ監督はGKオブラク、DFサビッチ、ヴィツェル、エルモーソ、MFマルコス・ジョレンテ、デ・ポール、コケ、サウール、ロドリゴ、FWグリーズマン、モラタをスタメンとした。
前半、ボールを支配したのはレアル・マドリーだったが、3/5バックのアトレティコを崩し切るのに苦労し、なかなか明確な決定機を迎えることができない。一方、速攻をベースにゴールを狙うアトレティコは8分、グリーズマンのスルーパスからモラタがシュートを放ったが、これはGKルニンの好セーブに遭っている。
そして20分、運の要素も多分に含んだ形で、レアル・マドリーが先制点を決めた。クロースのサイドチェンジをロドリゴが頭でクリアし損ねてブラヒムに渡り、ここからペナルティーエリア内中央に侵入したブラヒムのパスが眼前のエルモーソに当たり、今度はエリア内右のL・バスケスにこぼれる。さらにL・バスケスの横パスがサポートで下がってきたコケに当たって、このボールを中央で拾ったブラヒムが眼前のGKオブラクを破っている。
アトレティコは3回にわたってボールをレアル・マドリーに献上し、運に恵まれたレアル・マドリーは、さらに予期せぬ形で先発したブラヒムがチャンスを生かし切った格好。ブラヒムは先発した11試合で6ゴール3アシストを記録するなど、期待に応え続けている。
対して、1点のビハインドを負ったアトレティコは、その後セットプレーを中心にチャンスを迎えていく(今日の彼らはレアル・マドリーのセンターバックが不足しているため、サイド攻撃など空中戦を狙い続けていた)。22分にヴィツェルが放ったヘディングシュートはルニンにセーブされ、直後のCKでサビッチが頭で合わせたボールは惜しくも枠外に。さらに47分、CKから再びサビッチがヘディングシュートを打ち、今度は枠内に収まったものの、サウールがルニンのプレーを妨害したとして、VAR介入後にゴールが取り消されている。
ハーフタイムにロドリゴをモリーナに代えていたシメオネ監督は、60分にモラタ、デ・ポール、サウールを下げてメンフィス、バリオス、リーノを投入。ポゼッション率を上げてレアル・マドリー陣地に攻め込み、一方アンチェロッティ監督のチームは速攻を中心にゴールを狙っていった。66分にはレアル・マドリーが速攻で4対3の状況をつくり、バルベルデのドリブルからペナルティーエリア内のロドリゴがシュートを打ったが、これはオブラクに弾かれている。シメオネ監督は68分に最後の交代カードを切り、コケをアンヘル・コレアに代えた(アンカーはバリオスに)。
対して、鋭い速攻を繰り返すレアル・マドリーは69分、ペナルティーエリア内右に侵入したブラヒムが股抜きでエルモーソ、さらにヴィツェルをかわしてシュートまで持ち込むものの、ボールはわずかに枠を外れて惜しくもゴラッソは誕生せず。その直後、アンチェロッティ監督はブラヒムをホセルに代えて、ベルナベウの観客はブラヒムにスタンディングオベーションを送っている。
アンチェロッティ監督はさらに75分、ロドリゴとの交代でモドリッチもピッチに立たせる(背番号10に対してベルナベウは大喝采)。直後の76分にはアトレティコが、グリーズマンのヒールシュートでゴールをうかがったが、ルニンが今一度好セーブを見せている。
終盤にベリンガムをセバージョスに代えたレアル・マドリーは、そのままボールを保持して試合終了まで過ごそうとした。が、ドラマは最後に待っていた。アトレティコは92分38秒、サビッチがペナルティーエリア内にロングフィードを送り、メンフィスが頭でこれを処理し切れず。だが浮かび上がったボールにM・ジョレンテが反応し、こちらも頭を使って枠内に押し込んだ。試合は劇的なドローゲームで終了し、今季ダービーの成績はアトレティコの2勝1敗1分けとなった。
ラ・リーガ首位レアル・マドリーは連勝が6でストップ。勝ち点を58までしか伸ばせず、前日にレアル・ソシエダと引き分けた2位ジローナ(勝ち点56)との差は2ポイントのままとなり、アラベスに勝利した3位バルセロナ(勝ち点50)との差は8ポイントとなった。アトレティコは勝ち点48で4位につけている。




