12日に行われたラ・リーガ第17節、サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・マドリー対アトレティコ・マドリーは2-0でレアル・マドリーの勝利に終わった。
血を見ることになると思われたわずか22日間での7連戦で現在6連勝(それ以前の試合含めれば9連勝中)と止められない勢いを手にしているマドリーと、ミッドウィークのポルト戦勝利でギリギリのチャンピオンズ・ベスト16進出を果たして流れ続けた血を止めたアトレティコによるダービー。ラ・リーガ優勝レースの行方が決まる首都決戦である。
立ち上がりはアトレティコのプレスが効果を発揮してマドリーは簡単にプレーできない状況だったが、時間が経つに連れて勢いの差が、もっと言えばマドリーの技巧がはっきりと表れることに。そうして16分、コケのパスミスをモドリッチが拾って速攻を開始すると、流れるような連係と美麗なフィニッシュによって先制点まで到達している。カセミロ、ベンゼマ、アセンシオとボールをつなぎ、右サイドを突破したヴィニシウスのクロスにベンゼマが巧みに右足で合わせて、GKオブラクの守るゴールを破った(今季ラ・リーガ13得点目)。
マドリーは先制後も試合を支配。特にモドリッチとクロースのプレーは凄まじく、ボールキープ、切り返し、タイミングと精度があまりに並外れたパス、流れるような連係とポジショニング……など妙技を連発して、ビルドアップからフィニッシュフェーズ(同フェーズからベンゼマも存在感を発揮)への移行までで何度も観客を沸かせている。対して劣勢のアトレティコは35分に直接フリーキックのチャンスを迎え、グリーズマンが枠を捉えるシュートを放ったものの、GKクルトワの超絶セーブに阻まれた。前半は1-0で終了する。
ハーフタイム、アンチェロッティ監督は慎重を期してか、負傷から復帰したばかりのベンゼマとの交代でヨヴィッチを投入。片やシメオネ監督は、カラスコとグリーズマンを下げてレマルとジョアン・フェリックスをピッチに立たせた。
後半の序盤はアトレティコが攻勢に出て、J・フェリックスらが決定機を迎えるもクルトワの牙城はやはり崩せず。そして57分、マドリーが再び縦に速い攻撃から2点目をかっさらった。またも左サイドを突破したヴィニシウスが、今度はダイアゴナルなパスをエリア内に送り、走り込んでこれを受けたアセンシオが左足のシュートでネットを揺らした。
シメオネ監督は60分、クーニャとアンヘル・コレアも下げて、ロディとポルト戦の前半に負傷交代したルイス・スアレスを投入。過去にバルセロナ、そして今はアトレティコとマドリーの宿敵に在籍し続けるL・スアレスに対して、観客は耳をつんざくブーイングを浴びせた。さらに69分にはデ・ポールをエクトル・エレーラと代えて交代カードを使い切った。
以降はアトレティコがボールを保持して、マドリーがやや後方で守備ブロックを形成して速攻を狙う展開に。アンチェロッティ監督は81分に2枚目の交代カードを切り、カルバハルに代えてナチョを投入。その後にはアセンシオをバルベルデ、ヴィニシウスをロドリゴに代えた。試合終了間際、アトレティコはJ・フェリックスが決定機を迎えるも決め切れず、結局マドリーが2点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎えている。
なおベルナベウの観客は解任論が出始めているシメオネ監督に対して「チョロ・ケダテ(シメオネ残ってくれ)」という皮肉の大合唱を行っていた。
22日間で7連戦というエベレストを見事全勝で登頂したマドリーは勝ち点を42として、2位セビージャ(1試合未消化)に8差をつけて首位を快走。4位アトレティコ(こちらも1試合未消化)はマドリーに勝ち点13差をつけられることになった。




