31日のラ・リーガ第30節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック・ビルバオ戦に2-0で勝利した。
バルベルデ監督率いる今季のアスレティックは、現在ラ・リーガ4位を走り、コパ・デル・レイ決勝にも進出するなど好調。レアル・マドリー対アスレティックという2部降格の経験がない両チームによるクラシックマッチは、いつも以上に熱を帯びる好カードとなった。
ヴィニシウスを2試合出場停止で欠くアンチェロッティ監督だが、同じ処分を受けていたベリンガムは復帰。前十字靭帯断裂の重傷から戻ってきたミリトンはベンチに置いて、GKルニン、DFカルバハル、リュディガー、ナチョ、メンディ、MFバルベルデ、チュアメニ、クロース、FWロドリゴ、ベリンガム、ブラヒムをスタメンで起用している(なお、マドリーはこの試合で山本耀司氏の「Y-3」とのコラボレーションユニフォームを着用。薔薇がデザインされた紫のユニフォームで、このためにアウェーのアスレティックが白いユニフォームでプレーしている)。
アスレティックはラ・リーガで最もハイプレスを多用するチームだが、レアル・マドリーは8分に個人技と連係の妙によってその重圧をかいくぐり、一気にゴールをかっさらっている。
自陣ペナルティーエリア近くのクロースが、アスレティックのハイプレスを引きつけながら縦パス。これを右サイドのカルバハルがタッチラインギリギリで胸トラップして、すぐ内側のチュアメニに渡すと、フランス人MFはワンタッチで相手陣地に縦パスを送る。
このチュアメニのボールをアスレティックのMFとDFラインの間でブラヒムが受けると、逆サイドでフリーとなっていたロドリゴに横パスを出す。すると背番号11は左からペナルティーエリア手前に切り込んで、ベリンガムが囮になるべく縦に走り抜けたことで手にしたスペースを利用して右足を一閃。コース、スピードとも申し分ないボールが、枠内右隅に飛び込んでいる。
得点への過程のすべてで技術が光り、無駄がなく、流麗だった、まさにレアル・マドリーによるゴラッソ。なおロドリゴは8試合ぶりゴール(今季ラ・リーガ9得点目)で、左サイドでのプレーが、彼にとっていかに快適であるかを再び示すことになった。
前半はその後、レアル・マドリーが無理に点を取りに行かない“省エネ”感の強い堅守速攻にシフトしたため停滞した内容となり、1-0のまま終了。後半も展開的には変わらず、マドリーは隙あらばアスレティックの前線からのプレスをかいくぐって、2点目を目指していった。アンチェロッティ監督は72分に1枚目の交代カードを切り、ブラヒムを下げてホセルを投入する。
そして74分、レアル・マドリーが待望の追加点を記録した。決めたのは、再び“左サイドのロドリゴ”だった。クロースのスルーパスをアスレティックのDF&MFのライン間でベリンガムが受けると、左サイドフリーで駆け出したブラジル代表FWにスルーパス。ロドリゴはペナルティーエリア内左に侵入すると、冷静な右足のシュートでラ・リーガ10点目を決めている。
リードを広げたアンチェロッティ監督は81分に一気に3枚代え。バルベルデ、ロドリゴ、クロースを下げてルーカス・バスケス、カマヴィンガ、モドリッチを入れた。モドリッチは今回もベルナベウ全体から大喝采と大声援を受けながらピッチに入っている。
レアル・マドリーは終盤、アスレティックの意地の反撃を退けながら堅守速攻から追加点を狙い続ける。そして後半アディショナルタイムには、カルバハルとの交代でついにミリトンが登場。ベルナベウは開幕節、サン・マメスでのアスレティック戦で負傷し、ベルナベウでのアスレティック戦で戻ってきた世界最高のCBの一人に対して、惜しみない喝采と「エデル・ミリタオ(現地の呼称)」のチャントを歌っている。
試合は、ミリトンの投入直後に終了のホイッスル。ラ・リーガ3連勝のマドリーは2位バルセロナとの勝ち点8差、3位ジローナとの10差を今節もキープした。
.jpg?auto=webp&format=pjpg&width=3840&quality=60)



