現地時間29日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)はリーグフェーズの最終節が行われ、遠藤航の所属するリヴァプールは敵地フィリップス・スタディオンでPSVと対戦した。
7戦全勝で堂々の首位に立ち、リーグフェーズ突破を決めているリヴァプールは大胆なターンオーバーを採用。前線はガクポ、ダンズ、キエーザが並び、中盤は遠藤、エリオット、マコーネルの3枚、最終ラインは右からブラッドリー、クアンサー、ロバートソン、ツィミカスが並び、ケレハーがゴールマウスに立った。
すでに突破を決めているリヴァプールに対し、負ければプレーオフ進出が危ぶまれるPSVはメンバーを落としてきたリヴァプールからホームで勝ち点3を手にしたいところ。しかし、リヴァプールは大きくメンバーを入れ替えながらも優位に試合を進めていく。
久々に中盤での起用となった遠藤は、アンカーポジションで最終ラインからのボールを引き出し、チャンスメイクというよりはボールを散らしてリズムを作っていく。
試合が動いたのは26分、右サイドを突破したキエーザは一旦ボールを失うが、クリアしようとしたフェールマンからボールを奪い返し、エリア内で蹴られる格好となってPKを獲得。このPKをガクポが沈め、リヴァプールが先制する。
先制したのも束の間、35分に右サイドからのフェールマンの浮き球パスをペピが胸で落とし、受けたバカヨコがシュートフェイントでDFをやり過ごして右足でゴール左へと流し込み、PSVが同点に追いつく。
追いつかれたリヴァプールだが、40分に中盤でルーズボールを拾った遠藤がダイレクトで前線に送ると、ガクポのポストプレーからキエーザがボレーで捉えるとGKベニテスがたまらずはじく。このこぼれ球をエリオットが押し込み、リヴァプールがあっさりと勝ち越した。
このままリヴァプールがリードして終えるかと思われた45分、遠藤からボールを奪ったフェールマンがエリア内左にラストパス。受けたサイバリが角度のない位置から左足を振り抜くと、強烈なシュートがGKケレハーのニアハイを射抜き、PSVが再び追いついた。遠藤がボールを失う前に主審と被ったことでリヴァプール側は抗議をしたが、ゴールは認められている。
さらに終了間際のアディショナルタイム、サイバリの前線でのキープから左サイドをオーバーラップしたマウロ・ジュニオールの折り返しをニアサイドのペピが流し込み、PSVが逆転に成功して試合を折り返した。
後半、追いつきたいリヴァプールは52分にガクポを下げてモートンを投入。さらに64分にはロバートソンに代えてニョニを投入すると、ロバートソンの巻いていたキャプテンマークは遠藤に託され、遠藤がセンターバックにポジションを落とした。
最終ラインで安定したプレーを見せていた遠藤は、83分にダンズに代わってセンターバックのナロが投入されたことで、再び中盤にポジションを上げた。
しかし、投入されたばかりのナロが87分にGKベニテスからのロングキックに抜け出したバカヨコを蹴ってしまい、一発退場。ナロにとってはほろ苦いトップデビューとなってしまった。
数的不利となったリヴァプールはアディショナルタイムの5分間を含めて追いつくことは叶わず、今季CL8試合目にして初黒星。逃げ切ったPSVがホームで逆転勝ちを収めた。
■試合結果
PSV 3-2 リヴァプール
■得点者
PSV:バカヨコ(35分)、サイバリ(45分)、ベピ(45+5分)
リヴァプール:ガクポ(28分PK)、エリオット(40分)