15日に行われたFIFAクラブワールドカップ(CWC)・グループB第1節、パリ・サンジェルマン(PSG)対アトレティコ・マドリーは4-0でPSGの勝利に終わった。
32チーム形式となったCWCにおける初のビッグマッチだ。アメリカ・カリフォルニア州のローズボウルスタジアムで、今季チャンピオンズリーグ(CL)王者のPSGと、スペイン屈指の強豪であるアトレティコが激突した。
まず最初に決定機を迎えたのは、ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコだった。キックオフから3分後に迎えたペナルティーエリア手前からのフリーキックの場面、エースのフリアン・アルアレスが右足のシュートで先制点をうかがったが、壁の外側を通ったボールはわずかに枠の右に外れている。
そしてその決定機の後には、ルイス・エンリケ監督率いるPSGがボールを保持してアトレティコを圧倒。やはりCL王者の実力は際立っており、中盤底のヴィティーニャのゲームメイク、右ウィングのドゥエの個人技からチャンスを生み出していくと、19分にスコアを動かした。右サイドから攻撃を展開し、最後はペナルティーアークのファビアンが右足でシュート。地を這うボールが枠内右に収まっている。
PSGは先制後もボールを保持。しかし気温が30度を超える中、プレーリズムを少し落として、あわよくば追加点を狙うといった調子だった。対して、自陣に引かざるを得ないアトレティコは、ボールを奪ってもPSGの強烈なプレッシングによってすぐさま奪い返され、ほとんど相手ゴールに迫ることができなかった。
アトレティコは前半アディショナルタイム、ペナルティーエリア内のグリーズマンがシュートまで持ち込んだが、これはGKドンナルンマにセーブされる。そしてPSGが直後に仕掛けた速攻でリードを広げた。ヴィティーニャがペナルティーエリア内に入り込んで、冷静なシュートでGKオブラクを破っている。試合は2-0で折り返しを迎えた。
迎えた後半、シメオネ監督はアタッカーのリノを下げてゲームメーカーのMFのコケを投入。これでボールを持ったプレーを改善すると、57分に“一瞬だけ”スコアを動かす。中盤でのコケがドゥエからボールを奪い、ル・ノルマン、ジュリアーノとパスをつなぐと、最後はペナルティーエリア内右のフリアン・アルアレスが角度がないところが右足のシュートを決めた。だがコケのタックルは明らかなファウルで、オンフィールドレビューの結果、ゴールは取り消されている。
ぬか喜びをしたシメオネ監督はその後、ギャラガー、ヘイニウド、コレア、スルロットを次々とピッチに送り込むがが、芳しい結果は得られない。なおかつ78分にはラングレが抗議によって2枚目のイエローカードを提示され、数的にも不利に立っている。
11人対10人となり、ほぼ揺るぎない優位性を手にしたPSGは、途中出場のマユル、イ・ガンインらが3点目を目指す。対してアトレティコは82分、ジョレンテがグラウンダーのクロスを放ち、フリーのスルロットがただ押し込むだけという絶好期を手にしたものの、これをバーの上に飛ばしてしまった。
そうして88分、PSGが3点目を獲得。ペナルティーエリア内の混戦、アトレティコの消極的な守備の中で執拗にゴールを狙ったPSGは、最後にマユルが右足のシュートでネットを揺らしている。
PSGの勢いは後半アディショナルタイムに入ってもおさまらず、93分にはペナルティーエリア内でル・ノルマンのハンドを誘発してPKを獲得。キッカーのイ・ガンインがしっかりとシュートを決め切って、合計4発で強豪アトレティコを下している。
PSGはCWCグループステージの勝利で、まず200万ドル(約3億円)を獲得(引き分けでは100万ドルを手にできる)。同大会を制覇すれば、約1億2500万ドル(約180億円)の獲得賞金をつかむことができる。






