天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会の決勝戦が、12月9日に国立競技場で開催予定だ。試合の見どころや注目ポイントを整理する。
■クリーンシート続きの柏
川崎フロンターレは2020年以来、柏レイソルは2012年以来と互いに2度目の天皇杯制覇を目指す両チーム。近年の国内サッカーをけん引してきた川崎Fにとっては、昨季の無冠で連続主要タイトル獲得が5年で途切れ、再び復権を目論んで臨む決戦となる。
川崎Fは今季、明治安田生命J1リーグは14勝8分け12敗の8位でフィニッシュし、JリーグYBCルヴァンカップはグループステージで敗退。特にルヴァン杯では得点数がグループ内トップながら3位で終え、J1リーグでも得点数は上から4番目と、近年より落ち込んでいるとはいえ高い水準にある。
また、天皇杯では準々決勝でPK戦の末にアルビレックス新潟を上回り、準決勝でアビスパ福岡に4-2で勝利。勝負強さを際立たせ、リーグ戦とは違った顔を見せている。
一方の柏はJ1リーグを6勝15分け13敗の17位でフィニッシュ。1枠のみとなっていた降格こそ免れたものの、最後まで残留争いに巻き込まれ、苦しいシーズンとなった。それでも守備はそれほど大崩れしていない反面、得点数は33得点でワースト2位。引き分け数がリーグトップという結果も、僅差で勝ち切れなかった試合が多いことを表している。
天皇杯においては、決勝トーナメントに入ってからラウンド16で北海道コンサドーレ札幌に1-0、準々決勝で名古屋グランパスに2-0、準決勝でロアッソ熊本に4-0といずれもクリーンシートで勝利した。
決勝戦では、柏がどれだけ無失点の時間を維持できるかが分かれ目となりそうだ。川崎Fが先制した場合、前がかりになる柏に対して追加点を重ねていく展開も予想されるが、反対に終盤までスコアが動かなかった場合は柏のペースとなる。
■注目選手:脇坂泰斗(川崎フロンターレ)
レジェンド・中村憲剛氏が背負っていた背番号14を受け継ぎ、川崎Fの選手としては唯一Jリーグのベストイレブンを受賞した脇坂泰斗。負傷トラブルも多かったチームの中で、序盤の数試合以外はほぼフル稼働し、泥臭いプレーでチームを鼓舞する姿も目立った。柏との試合で先制点を奪うためにはリスクをかける必要があり、中盤のバランスを崩してでも畳みかけにかけにいくタイミングを見極める脇坂の戦術眼も重要になりそうだ。
■注目選手:細谷真大(柏レイソル)
上述した通り、柏は2023シーズンのJ1リーグでの得点数が「33」となっているが、細谷真大は14得点とその半数近くを記録している。当然ながら相手チームから最も警戒される選手となったものの、厳しいマークに上手く対処しながら得点を重ねていった。その適応力が日本代表に呼ばれた要因の一つでもあるだろう。細谷への依存度の高さを課題と見なす考え方もあるが、一発勝負のタイトルマッチでは個人として代表選手にふさわしい爆発力を示せるかどうかも、注目ポイントだ。


