バルセロナDFジェラール・ピケが、本拠地カンプ・ノウでのラストマッチを振り返っている。
先に現役引退を発表したピケは、カンプ・ノウでのラストマッチとなったラ・リーガ第13節アルメリア戦(2-0)で先発出場。83分までプレーし、ピッチから去る際にはチームメート、チャビ・エルナンデス監督らコーチングスタッフを抱擁を交わし、観客からは「ピケ! ピケ! ピッケンバウアー!」のチャントを浴びせられている。そして試合後に行われた引退セレモニーでは胴上げで宙を舞い、その後マイクを手に取ると、時折涙で声を詰まらせながら「必ず戻ってくるよ。僕はここで生まれて、ここで死ぬんだ」と語った。
一連のイベントが終わった後、ピケはスペインでこの試合を中継していた『DAZN』とのインタビューに応じている。背番号3は『DAZN』のコメンテーターを務める元チームメート、ダビド・ビジャ氏らに対して、試合やセレモニーについて次のような感想を述べている。
「今日はすごい日になった。こういった形で別れを告げられるなんて素晴らしいね。僕は最初から最後まで、サポーターとつながっていられたんだ」
「交代のときには、これで肩の荷が下りたと思った。でも今日、自分が幸せだと感じているのは、すべてを出し尽くたって自負があるからにほかならない。僕はいつだって全力で競争に臨んできた。うまくいく日も、いかない日だってあったが、とにかく全力を尽くしてきたんだ。そこは誇らしく思える」
バルセロナで30、マンチェスター・ユナイテッドやスペイン代表も合わせれば36ものタイトルを獲得してきたピケだが、自分の心に残っているものはタイトルではなく、日々の経験だったようだ。
「本当に何年も、たくさんの試合を戦ってきて、幸運にも多くの成功を手にすることができた。でもさ、心に残るものというのは経験や友情、EUROやワールドカップの夜に遊んだカードゲームなんだよ。タイトルなんてのは数字や金属にしかならない。心に残されるものは、経験なんだ」
昨季終了直後、チャビ・エルナンデス監督からレギュラーではなくなることを告げられ、さらに財政難のクラブから退団や引退、減俸に関するプレッシャーを受けてきたとも報じられたピケ。今季ベンチに座る日々が「とても難しいもの」であったことも吐露している。
「本当言って、こんな終わりは夢にも見ていなかった。ここを去るなんて一度も考えたことなかったんだ。いつも『あと1年』って思ってきたからね。自分はいつだってはっきりした人間でありたい。いけるのか、いけないのかを見極めたいんだよ。この6カ月間はとても難しいものだったし、そのことは皆の目にも触れていたはずだ。ここ数カ月間は、簡単なことなど何もなかったんだ」
「今日で解放されたよ。最初から出場できて、ファンの目の前でプレーして……、忘れられない思い出ができ上がったんだ。だけど人生は続くし、次に向かっていきたいと思う」
「僕は心穏やかに、幸せを感じながらここから去るよ。やるべきことはやったのさ」




