Lionel Messi, Paulo Dybala, Cristiano RonaldoGetty / Goal

“NEXT メッシ”からC・ロナウドの控えへ――。ディバラ、ユヴェントスでの凋落

■愛される男

2015年の夏、パレルモからユヴェントスへ移籍した少し後に、パウロ・ディバラは友人たちに会うためにシチリア島に戻った。

ビーチを訪れている間、彼は泳ぐために何気なく海に入った。このとき「奇妙なこと」が起こった。

「海から出ようとしたら、海岸でたくさんの人が僕を待っているのが見えたんだ」。ディバラは明かす。

この時、最初は「地元の人が(4000万ユーロで)ユヴェントスへ移籍したことを非難しに来た」と感じたのだという。しかし実際には、彼らはディバラを祝福するために集まってきたのだ。25歳となったこのアルゼンチン人は、しばしばこのような影響をファンに与える。人々は彼のなめらかな左足のタッチだけでなく、チームに対する情熱を評価するのだ。

だからこそ、ユヴェントスのサポーターはディバラを売りに出すと決断したことに困惑し、とても怒っている。

ユヴェントスがマンチェスター・ユナイテッドとの間で、ディバラとロメル・ルカクをトレードすることに合意したという知らせから数時間も経たないうちに、「#Dybalanonsitocca(ディバラに触るな)」がイタリアでツイッターのトレンドになった。

このようなファンの反発は、彼がユヴェントスで最悪のシーズンを過ごしたことを考えれば、驚くべきものだ。昨シーズン、ディバラはセリエAで5ゴールしか挙げていない。それでも、ユヴェントスの熱心なファンは、25歳FWが次の偉大な10番になるものだと思っていた。そしてクラブもそう思っていた。最近までは――。

■2年前に見せた輝きはどこへ

Paulo Dybala Lionel Messi Juventus BarcelonaGetty Images

約2年前、ディバラはバルセロナに3-0で勝利したチャンピオンズリーグ準々決勝で、2ゴールを挙げた。トリノでのその夜、観衆は「今こそディバラの時代だ!」と確信し、ディバラ自身もそのメッセージを心に留めたように感じられた。

長らくリオネル・メッシと比較されてきたディバラは、同胞を迎え撃つ戦いで自分自身が唯一無二のワールドクラスであることを知らしめたのだ。

だからといって、ディバラがメッシと同じレベルに到達できるかはわからない。しかし、あのダイナミックで決定的なプレーを見た直後、ディバラは次のトップスターになれると確かに思えたのだ。

ユヴェントスは確かにそう感じていた。

わずかその2日後、ユヴェントスはディバラと2022年までの大型契約を結んだ。バルサだけでなく、レアル・マドリードからの関心を払いのけるためだ。

そしてその年の8月、ユヴェントスはディバラに名誉ある「10番」を与えた。本人はそれにふさわしいリアクションを見せ、「子供の頃の夢が叶った」と表現した。口先だけではなく、本気でそう言ったのだ。2017-18シーズンの間、ディバラは堂々としたプレーを見せ、全公式戦でキャリアハイの26ゴールをマークした。“La Joya(宝石)”はその相性に違わず、ユヴェントスで最も価値のある選手となった。

しかし、クリスティアーノ・ロナウドがトリノにやってきた瞬間、すべてが変わってしまった。

ディバラ自身はファンと同じように、C・ロナウドが来たことに熱狂していた。二人はお似合いに見えたし、魅力的なセレブカップルと同じように「Dybaldo」というニックネームが授けられた。

しかし、これは対等な“結婚”ではなかった。ディバラは、C・ロナウドと「共に」プレーすることを求められなかった。C・ロナウドの「ために」プレーすることを要求されたのだ。結果として、彼の生産性は必然的に下がっていった。

2017-18シーズン、ディバラは全公式戦で32ゴールに絡んでいた。その数字は、昨シーズン「14」にまで下がった。攻撃におけるディバラの影響力が弱くなり、C・ロナウドを中心に攻撃が組み立てられていることの象徴である。これは、基本的にディバラがより深いポジションでのプレーを求められていることを考えれば、驚くことではない。ほぼ「補助的なフォワード」なのだ。

一方C・ロナウドは、ディバラに対してとても協力的だ。これは賞賛に値する。サッスオーロ戦でも、ゴール後のおなじみのパフォーマンスにディバラの「マスク」を組み込んで、彼に敬意を表している。

「ピッチ外ではC・ロナウドと問題はない。ただ、問題はピッチ上にあるんだ。一緒にプレーをすると何もできない」。5月に息巻いたのは、ディバラの兄で代理人でもあるグスタボだ。

グスタボは間違っていなかった。マッシミリアーノ・アッレグリ(前監督)は、C・ロナウド中心の攻撃陣にディバラをフィットさせる試みを何度も行ったが、結局解決策を見つけることができなかった。

新監督のマウリツィオ・サッリは、ディバラが「偽9番」としてプレーできると思っている。しかし、1-2で敗れたインターナショナル・チャンピオンズ・カップのアトレティコ・マドリー戦で、ディバラが交代で30分プレーした後に、「私のディバラに関する意見は意味を持たない」と述べている。

たしかに、ディバラはプレミアリーグの移籍市場閉幕前に、マンチェスター・ユナイテッドやトッテナムへ移籍することはなかった。それでも、彼がユヴェントスを去る日が近いことは明らかだ。

■“その時”

DybalaGetty

今年2月、「ユヴェントスがディバラを今夏に放出する用意ができている」と最初に報じられた時、スポーツディレクターのファビオ・パラティチはすぐに噂を否定した。「では誰を、ディバラより良い選手として獲得するんだ?」と、彼は言った。

しかし今では、そんなことはもう関係ないようだ。ユヴェントスの首脳部は、サッリの意見に関係なく、ただただディバラを放出したいのだ。

こうした状況の激変は、ディバラ自身も、少なくとも一部は責任を負っているのは間違いない。

ピッチ外では、2017年9月に代理人をピエル・パオロ・トリウルツィから兄のグスタボに変えたことが、ユヴェントスのお気に召さなかった。ディレクターのパベル・ネドベドは公然と、ディバラのプロフェッショナリズムに疑問を呈した。そして、ディバラにもっと「私生活を犠牲にすること」を要求した。

ピッチ上では、過去12カ月間で適応力と汎用性に欠けることが露呈した。ディバラは、アルゼンチン代表のレギュラーメンバーに定着できないことを、メッシとポジションが重なることのせいにしたのだ。

そのような言い訳は、C・ロナウドがいるチームで居場所が見つけられない以上、通用しない。ディバラがチームにフィットしないのは、彼が単に2トップのセカンドストライカーか4-2-3-1システムの「10番」でしか輝けないからだ。

今夏にレアル・マドリー、バルセロナ、リヴァプールなどメガクラブから関心を持たれず、ユナイテッド、トッテナム、そして今はパリ・サンジェルマンなどセカンドティアのクラブにしか興味を持たれていないのは無理もない。

2年前のバルサ戦で見せた“宝石”の輝きは、なにか特別のものの始まりを意味するはずだった。しかしあれからというもの、あのチャンピオンズリーグのような素晴らしいパフォーマンスを一度も見せられていない。

イタリアの象徴的なミッドフィルダーで、元チームメイトでもあるアンドレア・ピルロが厳しくも的確に、こう指摘する。

「ディバラは他のどのトップクラブでプレーするんだ? もし他のチームに行くのなら、彼はそれにふさわしくなければならない。私なら彼を残留させようとするよ。素晴らしい選手だからね。1シーズンの間に、素晴らしい選手から凡庸な選手に変わったわけではない」

「しかし、彼は苦しんでいる。フォーメーションが変わって、C・ロナウドが来たからだ。精神的にも肉体的にも、ヨーロッパは違うリズムを持っていることを彼は理解しなければならない。イタリアのリーグとは違うんだ。もし彼が一定のレベルに達したいのなら、すべての面で向上しなければならない」

ユヴェントスは、ディバラに向上する機会を与えることはないだろう。だからこそ、ディバラとユヴェントスファンは、復活するためには移籍が必要だということを受け入れなければならない。

辛いかもしれないが、皆が前進するためには今こそ“その時”なのだ。

文=マーク・ドイル/Mark Doyle

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