日本代表指揮官の森保一監督が4日、翌日に控えるクロアチア代表戦の前日会見に出席し、意気込みを語った。
カタール・ワールドカップ(W杯)グループE第3節でスペイン代表に2-1の劇的勝利を収めて首位通過を果たした日本。現地時間5日に行われる決勝トーナメント1回戦では、史上初のベスト8入りをかけて、グループFで2位通過したクロアチア代表と激突する。
歴史を変える一戦に向け、森保監督は「厳しいグループを突破してクロアチア戦に臨めることを非常に楽しみにしています。3戦目からここまで選手は落ち着いて良い準備をしてくれています。非常にタフで厳しい試合になりますが、思いきって自分たちのプレーを発揮してほしい」と良いムードであることを強調。そして、ここからは延長戦の可能性もある中で、「総力戦、総合力で戦いたいです。120分の試合では6人の交代枠が使えるし、チーム全体で試合をつないで、最後に試合をモノにしたい」と語った。
日本は2018年のロシアW杯、決勝トーナメント1回戦でベルギー代表にアディショナルタイムの失点で惜敗。当時、コーチングスタッフだった森保監督は「ベスト16の壁を破るチャレンジをした中で、8強に行ける戦い方は十分できていましたが、16強で大会を去ることになりました。悔しさはコーチングスタッフの1人として持っています。あの経験があったからこそ。反省だけではないですが、今のチームに成果と課題を活かしていこうとチーム作りをしています」と口にし、ロシア大会だけではなく先人たちが紡いできた積み重ねを強調した。
「ベルギー戦だけの悔しさでW杯に臨んでいるわけではありません。すべての積み重ね、特にW杯の6大会で経験した積み上げを、このチームの戦いに生かすこともやってきました。これまでの日本サッカーの積み上げと、選手がこのチームで積み上げてきたこと。明日の試合で勝つために我々は戦います」
そして、そのベルギーを敗退に追い込んでグループを突破したクロアチアについては「できれば両方(クロアチアとベルギー)ともあたらずに勝ち抜けていければと思っていました」と笑いを交えて語りつつ、「トップクラスの選手がいて、前回ファイナリストの素晴らしいチーム。リスペクトしています。非常に賢く、試合巧者。いろんな試合の流れに対応し、ロシア大会でも延長3試合で決勝にいきました。我慢強さと粘り強さを兼ね備えています。難しい戦いになりますが、強い相手こそ選手は燃えると思う」と、ドイツ戦やスペイン戦のように強豪相手でこそモチベーションが最高潮となることを強調した。
そして、ドイツ戦やスペイン戦では、前半に我慢して後半勝負をかける展開となった森保ジャパン。だが、森保監督はクロアチア戦に向け、「前半から相手を圧倒し、圧力をかけて闘いに臨みたいです」と、より攻撃的に試合に入ることが理想であることをうかがわせた。
「グループステージ3試合も、できれば試合をコントロールしてアグレッシブに戦いたいと話して入りました。実際は相手が強く、選手たちが試合の流れを見ながら我慢強く、非常に賢く戦ってくれたのがグループステージだったかなと思います。最初から守るだけの戦いは明日もしたくないし、勇気を持って勇敢に戦えるように準備をしたいです。クロアチアもいろんな戦い方ができるチーム。理想と現実を持ちながら、最終的には我々がモノにできるように戦いたいです」
