キリアン・エンバペの去就問題に揺れるパリ・サンジェルマン(PSG)だが、上層部にも大きな動きがあるのかもしれない。
2017年にPSGへ加入し、クラブ最多得点記録である212ゴールを奪うエンバペ。しかし今夏の去就が大きな話題となっており、現行契約が残り1年に迫る中、1年間の延長オプションを行使しないことを公言。新シーズンもPSGでプレーする意欲を示しているが、PSGのナセル・アル・ケライフィ会長は「フリーで出て行くことはできない」と断言した。さらに今夏の日本ツアーのスカッドから外れるなど、状況は複雑になっている。
そしてこの問題は、PSGに大きな影響を与えるかもしれない。フランス『レキップ』によると、エンバペの去就騒動によってアドバイザーを務めるルイス・カンポス氏の立場が危ぶまれており、退団する可能性があるという。
昨夏にレオナルド前スポーツディレクターの後任として加入したカンポス氏だが、エンバペを日本ツアーのメンバーから外すことに反対していた模様。さらに選手に対し、冷静になって現実的な姿勢を示すように伝えていたという。しかし、クラブ側は去就に関する決断を促す戦略の1つとしてメンバー外にする決断を下しており、内部でカンポス氏への反発もあったようだ。
一方で報道によると、PSG上層部はカンポス氏へ一定の信頼を維持しており、さらに直面する問題を増やすことを望んでいないため、すぐさま解任するようなことは考えていないという。しかし影響力は低下しており、リュカ・エルナンデスの獲得や決定的とされるウスマン・デンベレの加入はナセル・アル・ケライフィ会長が主導しているようだ。また、昨季リールで共に仕事をしていたクリストフ・ガルティエ前監督を連れてきたことも、カンポス氏の立場を悪化させたと指摘されている。
そして『レキップ』は、「今後数週間は、カンポスにとってもPSGにとっても極めて重要」とし、「エンバペに何が起きたとしても、クラブ側は彼が得た権限はすべてカンポスの責任であると感じている。クラブが希望する解決策(理想は契約延長、あるいは今夏の移籍)を見つけられなかった場合、彼が辞任することは間違いない」と伝えられた。今後の展開が注目だ。


