レアル・マドリーFWキリアン・エンバペは、古巣パリ・サンジェルマン(PSG)との未払金を巡る裁判で部分的に勝訴している。
PSGで歴代最多256ゴールを奪い、6度のリーグ・アン制覇など数々のタイトルを勝ち取ったエンバペ。2024年夏に契約満了を持って同クラブを退団、レアル・マドリーに加入したが、古巣クラブと給料とボーナスの未払金を巡って対立が深まっていた。
『The Athletic』によると、PSG側はエンバペとの間で「2025年6月まで契約延長すること」、もしくは「2024年夏にフリートランスファーを選んだ場合、様々な金銭的権利を得る」という2つの選択肢について合意があったと主張。2023年6月にエンバペ側は1年間の契約延長オプションを行使しないことを書簡で提出しており、これが後者にあたると考えているという。しかし、エンバペの弁護士はこの合意を断固として否定していた。
その後、両者は11月17日に裁判所へ出廷。エンバペ側は総額2億6300万ユーロ(約478億円)の損害賠償を請求した一方で、PSG側は4億4000万ユーロ(約799億円)の損害賠償を求める反訴を起こした。
そして16日にパリ労働裁判所で判決が下され、エンバペの訴えが部分的に認められることに。裁判所はPSGに対し、レアル・マドリー移籍前の4月~6月の給与に加え、報酬と契約金を支払わなかったと判決を下している。未払金の総額は6000万ユーロ(約109億円)に上るようだ。一方で裁判所は、精神的ハラスメントや評判の毀損など、エンバペ側が主張した追加請求は棄却している。
エンバペの弁護団は『The Athletic』に対し、「この判決は、締結した契約は必ず履行されなければならないという確証を与えた。プロフットボールにおいても雇用法はすべての人に適用されるという、シンプルな真実を改めて示している」と声明を発表している。一方でPSG側は、「この判決を重く受け止め、控訴権を留保しつつ、この判決を執行していく。パリ・サンジェルマンは常に誠実かつ高潔な行動をとっており、今後もそうしていく。今は団結とチーム全体の成功を基盤に未来を見据えており、選手の残りのキャリアが素晴らしいものになることを願っている」との声明を発表した。




