パリ・サンジェルマン（PSG）FWキリアン・エンバペは、同クラブでプレーしていることがバロンドール受賞の「大きな助けにならない」と語った。
PSGとの契約延長及び退団騒動に揺れるエンバペは、『フランスフットボール』とのインタビューで、自身がバロンドールを受賞する可能性について言及。PSGというクラブ及び周囲の環境が、受賞の後押しにならないとの見解を示している。
「PSGでプレーしていることは大きな助けにならない。このチームは分裂している。このクラブは分裂している。だから中傷を呼び込むことになる。ただ、僕にとってはさして重要なことじゃない。自分が行っていることについては、しっかりと自覚があるからね」
「人々は僕がしているプレーを普通のことだと捉えている？ そうだね。でも僕が彼らを咎めることはない。ここフランスで、人々は僕が成長する様子を見続けてきた。毎週にわたってPSGや代表でプレーする僕の様子をね。僕は何年にもわたって多くのゴールを決め続けてきたわけだし、だから人々にとっては何か普通のことになってしまったんだろう。自分のプレーを当たり前だと思うことに不満を言うことはないさ」
「僕自身もクリスティアーノ・ロナウドやメッシら、偉大な選手たちのプレーを当たり前のように受け取ってしまっていた。僕たちは消費社会に生きている。『それはいいね。だが、もう一回やるんだ』と主張してくる社会にね」
その性格が“傲慢”であるともされるエンバペだが、本人はそうした形容をどう考えているのだろうか。
「僕はいつも満足していない。自分が行っていることに感動を覚えたことなんてないんだ。それが自分自身を知る第一の鍵となる。僕は自分がしていることについて、自分自身にこう言い聞かせるんだよ。『もう一度、今度はもっとうまくやれる』ってね。僕にはそういった勝利の飢餓感がある。チームには、ただ参加するためだけにいたいわけじゃない。だから人々は、ときに僕のことを傲慢って言うんだろう」
「それと同時に、僕は失敗を恐れていない。それも選手のキャリアの一部だ。僕には、自分が勝つために生まれたんだって深い確信があるし、そのことを皆に示したいんだ」
また、PSGがチャンピオンズリーグで優勝するために欠けていることを問われると、こう返している。
「それは僕にする質問じゃない。チームや陣容を構築する人々と話してほしいね。僕は自分の仕事でベストを尽くすだけ。リーグ・アンでは5シーズン連続で最高の選手、得点王となったんだ」