元イングランド代表MFポール・スコールズ氏が家庭の事情で解説者を辞することを決めたようだ。
元マンチェスター・ユナイテッドのチームメイトの多くと同様に、スコールズも2013年の引退以来、メディアに引っ張りだこに。現在50歳の彼は、以前は国内や欧州の試合のテレビ中継に頻繁に出演していたが、今シーズンは生放送の責任から離れ、ポッドキャストに集中している。
ポッドキャスト番組『スティック・トゥ・フットボール』でスコールズ氏は20歳の息子エイデンくんが「重度の自閉症」であると明かし、ルーティンを作るためにテレビ仕事を辞めたと説明している。
「私が今やっている仕事はすべて、彼の日課に沿ったものなんだ。彼は毎日かなり厳格な日課をこなしているから、私がやることはすべてエイデンに合わせてやろうと決めたんだ。彼は曜日も時間もわからないので、いつも同じことをしている。でも、私たちが何をしているかで、何曜日かはわかるんだ」
「毎週火曜日に保育園に迎えに行き、一緒にスイミングに行く。泳ぐのが大好きなので、帰りにピザを買って帰る。木曜日は迎えに行き、何か食べてから帰る。日曜日は(母親の)クレアの家まで迎えに行き、テスコでチョコレートをカートいっぱいに買う。だから、彼は何曜日か何時かは知らないけど、私たちが何をしているかで何曜日かは分かっている」
スコールズ氏は、エイデンくんの子育てが、診断を受けたときも含め、彼の選手としてのキャリアに時々影響を与えたと語った。
「これから何が待ち受けているのか、全く分からなかった。2歳になっても話せない子が、5歳か6歳でやっと話せるようになるんだ。それを発達後期と呼ぶ。でも、僕たちは絶対にそんなことにはならないって分かっていた。クラブの誰にもこのことについて話していなかった。今も同情など求めていない。ただ、誰かに話したとしても、エイデンのためにならないと思っただけだ。何が私の助けになるのか、私にはわからない」
「自分の気持ちを理解できず、言葉で伝えることもできないので、ただイライラして腕を噛んだり引っ掻いたりしていた。プレー中でさえ、その状態から逃れる術がなかったし、当時は本当に辛かった。2歳半になるまで、医師たちは診断しなかったと思う。何かがおかしいと早くから分かっていたのに、診断が下された時は、それまで聞いたこともなかったんだ」
「それから突然、すべてが見え始めた。意識的にそうなったのかどうかは分からない。最初の時は、ダービーとのアウェー戦の後だったのを覚えている。もうその場に居たくなかった。実はその翌週、監督に降格させられたのを覚えている。でも、(診断結果は)誰にも話していなかった。結局、数週間後に話した。かなり辛かったからだと思う」


