リヴァプールのイングランド代表DFマーク・グエイ獲得失敗について、有力メディア『The Athletic』の記者が分析している。
クリスタル・パレスで公式戦171試合に出場してFAカップ制覇に貢献し、イングランド代表でも26キャップを誇るグエイ。そんな25歳DFだが、今夏の移籍市場ではリヴァプールへの移籍が大きな話題となった。しかし、最終日までに取引はまとまらず、移籍は破談に。今季もパレスでプレーを続けている。
そしてこの取引失敗について、『The Athletic』のリヴァプール番記者グレッグ・エヴァンズ氏は「今季の彼らの課題は新加入選手のスロースタートかもしれないが、最も大きな代償はもう1人スターを加えなかったことかもしれない」とし、以下のように指摘した。
「マーケット最終日に獲得寸前だったグエイを逃したことは、苦い思い出となった」
「リヴァプールはもっと努力できたのだろうか? 当時、クラブ内部ではグエイは最優先事項ではなく、むしろ良い市場機会だと思われていた。そのため、パレスとの本格的な交渉が始まったのは8月10日のコミュニティシールド後のこと。争奪戦のライバルは存在せず、リヴァプール側も契約が残り1年の選手に法外な金額は出そうとしなかったため、狡猾な駆け引きを狙った。市場の終盤まで取引を遅らせることで、可能な限り最高の価格で獲得することを試みている。しかし、そうすることでパレス側に代役を確保する時間がなくなり、最終的に破談となった」
そして、リヴァプール側は「適正価格」に重点を置いたことを指摘しつつも、「賭けは裏目に出た。交渉開始時にパレスの要求額4500万ポンド(約91億円)を支払っていれば、すぐに移籍は成立していたはずだった」とし、提示額との差は1000万ポンド(約20億円)だったと報道。そのうえで直近7試合で6敗を喫したこと、イブラヒマ・コナテやフィルジル・ファン・ダイクがパフォーマンスを落としていることなどを指摘し、「今にして思えば、グエイを獲得しなかったことは戦略的なミスだった」と綴っている。
さらに同記者は、グエイがパレスとの契約延長を拒否したことで1月から自由に他クラブと交渉が可能になったとしつつ、リヴァプール側はシーズン後まで正式な交渉を待つ必要があると報道。一方で、バイエルンやレアル・マドリー、バルセロナなどは約2カ月後には交渉が可能になるため、大きく差をつけられる可能性があるとも分析した。
そしてエヴァンズ記者は、「リヴァプールは移籍に関して外部の雑音を遮断する傾向にあり、過去の獲得失敗が必ずしも致命的ではなかった事実を指摘しようとするだろう。だが、グエイに関しては“逃してしまった”選手に見える。もし彼が他のチームに移籍することになれば、夏の交渉を後悔することになるかもしれない」と結論づけている。




