元イングランド代表FWダニエル・スタリッジに逮捕状が発行されたと報じられている。
現在34歳のスタリッジは、年代別代表常連のエリート。2013年にチェルシーからリヴァプールに移籍すると才能が爆発し、特に2013-14シーズンは2トップを組んだルイス・スアレスとのコンビが「SAS(『スアレス&スタリッジ』の略)」と称されるほどのインパクトを残す。6年間で通算116試合50得点を記録して退団。
2021年にオーストラリアのパース・グローリーでプレーして以降は無所属の状態が続き、最近では『Sky Sports』のコメンテーターに抜擢されて元気な姿を見せていた。
今回報じられた事件は、2019年7月にまで遡る。スタリッジがロサンゼルス滞在中に空き巣に遭い、愛犬が行方不明に。同選手は3万ドルの懸賞金を提示して捜索をSNS上で呼びかけていた。最終的にはアメリカ人ラッパーのフォスター・ワシントン氏が発見していたと伝えられている。
しかし、ワシントン氏は約束していた金額が支払われていないとして訴訟を起こす事態となり、2021年12月にロサンゼルス裁判所はスタリッジに対し、3万ドルの損害賠償と85ドルの費用をワシントン氏に支払うよう命じていた。
スタリッジは前月、財政状況に関する質問に答える「債務者試験」のために裁判所に呼び戻されていたとのこと。しかし、スタリッジは出廷せず、『Mail Sport』が公開した裁判文書によると、逮捕状と出廷命令を受けたという。
ワシントン氏は弁護士費用に1万ドル以上を費やしたと語り、『Mail Sport』で次のように展開した。
「僕にとっては、原則の問題なんだ。彼は私にお金を約束した。私の家族の人生を変えるほどの大金だ。彼は自分が法律より上だと思っている。金持ちだから、何が起きても対応する必要がないと思っている。だから、裁判官に令状を発行してもらい、お金を払ってもらうことにしたんだ」
ワシントン氏の弁護士であるトーマス・スカリー氏もスターリッジに関して辛辣なコメントを残している。
「多くの人は、何らかの理由で訴訟を無視することを決めるが、大体の場合はお金を持っていないことで逃れるためにすることだ。しかし、ダニエル・スターリッジがそれを逃れていいとは思えない。彼は支払うお金を持っているし、弁護士を雇うお金もある。ただ、その気がないだけだ」
「彼はカリフォルニアの裁判所に従うべきだとは思っていないだろうから、おそらく無視し続けるだろう。しかし、私にはカリフォルニアの民事訴訟で使える別の手段があるため、それを使って追求し続けるつもりだ。これで話が終わるわけではない。私はまだあきらめてはいない」
一方のスタリッジにも言い分があることは2021年12月時点で分かっている。自身のSNSで、愛犬を見つけたのはワシントン氏ではないと主張していた。
「僕の犬を見つけた『少年』と会い、報酬を支払った。盗まれた犬を取り戻した僕同様、少年も大喜びだった。僕は彼と一緒に写真を撮り、ルッチ(愛犬)が戻ってきたときの様子をビデオと音声で記録している」
「クリスマスの日に強盗の出来事を思い出さなければならないのは屈辱だ。他の人は自分の私利私欲のために利益を得ようとしているんだ。もう一度、少年に感謝したい。これは2年半前のことで、クレイジーな24時間だった。ルッチが僕たち家族のもとに戻ってきたことにとても感謝している」


