Javier Tebas La Liga PresidentGetty Images

ラ・リーガ、投資ファンドCVCとの合意で3500億円を資金調達…バルセロナが350億円、レアル・マドリーが340億円を手に

スペインプロリーグ機構ラ・リーガは5日、投資ファンド CVCキャピタル・パートナーズから27億ユーロ(約3500億円)を資金調達することを明らかにした。

ラ・リーガは1年ほど前からCVCキャピタル・パートナーズとの交渉を行い、ついに合意に至った。CVCはラ・リーガの合弁事業、スポンサー契約、スタジアム周囲のテーマパーク化、IT戦略、テレビ放映権事業といった商業活動の改善によって将来的な利益増を見込み、その利益の一部を確保することで投資を行う。このオペレーションはラ・リーガの商業面を取り扱う新会社設立を通じて行われ、CVCは10%の比率で資本参加する。いずれにしても、この合意案は間もなく行われるラ・リーガの会議で、所属クラブから承認を受けなくてはならない。

この27億ユーロの90%は、40年のソフトローンでもって希望する各クラブに分配される。分配額はテレビの視聴者数やスポーツ面の成績に応じて決められ、バルセロナは2億7000万ユーロ(約350億円)、レアル・マドリーは2億6100万ユーロ(約340億円)、アトレティコ・マドリーは2億ユーロ(約260億円)を手にすることが可能に。ただし、その内70%がスタジアムと練習場のインフラ整備、15%が債務更新と新型コロナウイルスの損失補填に充てられることになり、残りの15%を人件費と選手補強に使用できる。

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人件費と選手補強に関して、バルセロナが使用できる額は4050万ユーロ(約53億円)、レアル・マドリーが4000万ユーロ(約52億円)、アトレティコ・マドリーが3000万ユーロ(約40億円)になる。 この資金調達は、ラ・リーガの各クラブにとって大きな後押しとなるだろう。ラ・リーガのサラリーキャップを超過してきたバルセロナはFWリオネル・メッシとの再契約を結ぶ見通しが立ち、レアル・マドリーはパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペの獲得資金を増やせるだけでなく、全面改装を行っているサンティアゴ・ベルナベウの工事費負担を減らすことができ、アトレティコ・マドリーもストライカー獲得の動きに弾みをつけられる。またその他のクラブも財政状況が一気に改善され、例えばレバンテはバルセロナ同様にサラリーキャップ超過で選手登録ができない状況と陥っていたが、この臨時収入が解決の手立てとなりそうだ。

なお27億ユーロの残り10%は、女子フットボールとアマチュアフットボールのためにスペインフットボール連盟、スペイン政府のスポーツ上級委員会で分配されることになる。

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