19日のラ・リーガ第18節、マジョルカは敵地ロス・カルメネスでのグラナダ戦を1-4で落とした。MF久保建英は先発フル出場で、今季の中でも傑出したパフォーマンスを披露している。
CKで2アシストを記録したコパ・デル・レイ2回戦ジャネラ戦に続き、2試合連続でスタメン出場を果たした久保。ラ・リーガ4部のチーム相手だった先の試合ではイ・ガンインと入れ代わりだったが、今回はどちらも先発で久保が右サイドハーフ、イ・ガンインがトップ下を務めている。
試合は、全体的にはグラナダの攻勢が目立ち、19分に先制点を記録。イ・ガンインのピッチ中央付近でのボールロストを起点として、ベテランFWホルヘ・モリーナにネットを揺らされた。
しかし、マジョルカも負けてはいなかった。その理由は、間違いなく久保の存在にある。日本人MFは右サイドで、まさにファウルでしか止められないドリブルを何度も仕掛けて、グラナダの2ボランチであるルイス・ミジャ、ゴロナンスのイエローカードを誘発。そして24分には、でっちあげではない、正真正銘のゴールの起点となるプレーを見せた。
ハーフウェーライン付近、久保建英の鮮やかな、精度抜群のサイドチェンジからジャウメ・コスタが一人左サイドを突破。ペナルティーエリア内に送られたクロスをダニ・ロドリゲスが押し込んだ。
同点に追いついたマジョルカは、その後も久保が躍動。右サイドで、ドリブルでカットインする可能性をほのめかしながらサイドで深みを取らせるパスを送り、直後折り返されたボールを絶妙にスルーするなど、警戒するグラナダの守備陣を手玉に取っていた。アディショナルタイム1分に逆転ゴールを決めたアトレティコ・マドリー戦は、久保にとって今季ここまでの最大のハイライトだろうが、今季ここまでの局所的でないベストパフォーマンスは、このグラナダ戦の前半だった。例えば、『アス』のライブテキストでは、前半総括で次のように記している。
「マジョルカには久保がいた。彼らの象徴的選手、彼らのリーダー。今一度、彼が姿を表したのだ」
後半もマジョルカの攻撃の中心は久保だったが、全体的にはグラナダが攻勢を見せる状況は変わらず。ルイス・ガルシア監督は59分にイ・ガンインを下げてアントニオ・サンチェスを入れて流れを変えようと試みたが、その直後にグラナダの勝ち越し弾を許してしまう。またも不用意なボールロストから、モリーナにゴールを決められた。
その後、マジョルカはフェル・ニーニョ、サルバ・セビージャを投入して攻勢を強め、久保もドリブル、ゲームメイク、隙があればシュートと積極的なプレーを披露したが、再びGKマキシミアーノの牙城を割ることはできず。そして後半アディショナルタイム、グラナダの三度の速攻から三度モリーナにゴールを決められ、さらにアントニオ・スアレスにもネットを揺らされて1-4で引導を渡されている。
4試合ぶりに敗戦を喫したマジョルカは、勝ち点20で暫定14位に位置。次戦は2022年1月2日に行われる、本拠地ソン・モッシュでのバルセロナ戦だ。




