膝の専門医が膝前十字靱帯断裂の発症数が近年増加する理由について語った。
近年、過密日程やプレー強度の増加などによる負傷者の問題が各チームを苦しめている。中でも、シーズンを棒に振る長期離脱を強いる膝の前十字靭帯断裂の発症数が増加中。プレミアリーグでは2016-17シーズンに12件を記録し、昨シーズンは9件、今シーズンはすでにマンチェスター・シティのロドリなど10名の選手が膝の重傷を負い、8シーズン前の発症数に迫る勢いだ。
10件のうち、7件は年明けに発生しており、マンチェスター・ユナイテッドのリサンドロ・マルティネス、トッテナムのラドゥ・ドラグーシン、イプスウィッチ・タウンのウェス・バーンズ、エヴァートンのオレル・マンガラ、クリスタル・パレスのシャディ・リアド、アーセナルのガブリエウ・ジェズス、ボーンマスのエネス・ウナルが負傷した。
着地時や急な方向転換、衝突によって膝の捻転や過伸展が引き起こされることが膝の前十字靭帯断裂の一般的な原因だが、マンチェスター・Cのペップ・グアルディオラ監督からの信頼の厚いスペイン人膝専門医、ラモン・クガート医師は、イギリス『BBC』で前十字靭帯断裂の原因について「単独の原因はなく、むしろ負傷の可能性を増加させる状況の複合によって起きる」と言及。
また、クガート医師は試合数やトレーニングの増加だけではなく「選手たちはより高いインテンシティでこれらの活動を行っている」と話し、前十字靭帯断裂が増加する理由について続けた。
「サッカーはますますアスレティックなスポーツになっている。シーズンごとに加速や減速、ジャンプ、接触の回数は増えている。ファンにとってより魅力的なスポーツになっているが、実際にやっている選手たちにとっては負傷のリスクがより大きくなっていることを意味している」
「人間の身体にはそのような身体的な要求に対処するための独自のメカニズムがある。正しい栄養や適切な休養や睡眠、身体への負荷が適切に管理されていることは、激しい運動によって起きる微細損傷から我々の身体の組織が回復するのを助けている。前十字靭帯の負傷には関係するより多くの要素がある。シューズの形状や芝生の状態、選手の精神状態、まだまだ多くのことが挙げられる。しかし、我々はまだこの負傷に関与する重要な側面のすべてを発見したわけではない」
