リヴァプールの運命やいかに――。
2月7日、アンフィールドでマンチェスター・シティに1-4と敗れてとどめを刺されたレッズ(リヴァプールの愛称)のタイトルへの希望は、儚くも消えてしまった。
彼らの夢は、非常に残酷な形で終わりを迎えたのだ。
自分たちの実力が招いた結果ではあるが、よりによって最大のライバル、シティに引導を渡される結果となったのはダメージが大きい。ユルゲン・クロップはチームに強い自信を持っていたのかもしれないが、現実は厳しかった。明るいものとなるはずだった今シーズンは、プレミアリーグ王者にとって長い悪夢へと変わってしまいつつある。
■トップ4が現実的な目標に
(C)Getty Images悪夢はどこから始まっていたのだろう?相次ぐ負傷がこのストーリーの中心であることは間違いないが、今シーズンのリヴァプールは、どこを切り取っても不安定な戦いを強いられていた。
ロイ・キーンは、マンチェスター・シティに大敗したチームを「バッド・チャンピオン」と称し、クロップと選手について「過大評価」であると非難した。彼の注目を浴びるための洞察なき主張を無視するのは自由だが、事実から目を背けることはできない。そしてその事実は、あまり良い方向に向かっていない。
23試合を終えた現在、リヴァプールは昨シーズンの同時点と比べて勝ち点が27も少ない。彼らとシティとの勝ち点差は10であり(しかもシティの消化試合は1試合少ない)、ホームで3連敗を喫してしまったのも1963年以来の出来事だ。ちなみにその年のチャンピオンはエヴァートンであり、シティはセカンド・ディヴィジョンに所属、また、若き16歳のロイ・ホジソンがタフなディフェンダーとしてのキャリアを夢見ていた頃でもある。
クリスマスには首位に立っていた彼らだが、それ以降内部から崩れていき、プレミアリーグでは最近の9試合で18もの勝ち点を取り逃している。さらに彼らは同時期にマンチェスター・ユナイテッドに敗れてFAカップの舞台からも姿を消しており、まさに泣きっ面に蜂状態だ。
この状況では、トップ4でフィニッシュできるかが現実的な問題となる。シティは遠く見えないところまで行ってしまったのだ。彼らは間違いなく、5月には優勝を決めてしまうだろう。彼らの直近の調子を考えれば、シーズン終了まで勢いを維持すると考える方が理にかなっている。
そうなると、リヴァプールの相手は現時点で彼らより上にいるユナイテッドやレスター、そして下に固まるチーム群だ。その中でも最も大きな脅威となるのは、新指揮官トーマス・トゥヘル率いるチェルシーだろう。クロップ監督も「こうなることはシーズンの初めから分かっていた」と、トップ4争いは厳しいものになることを認めている。
リヴァプールの正念場は続くが、これからの2週間は特に重要だ。レッズは土曜日に3位レスターの本拠地へと赴き、翌週末には7位エヴァートンをホームで迎え撃つ。その間にチャンピオンズリーグベスト16ラウンドのRBライプツィヒ戦も控えているが、この試合はドイツ国内のCOVID-19規制により、ブダペストでの開催となる予定だ。
■挑戦は終わらない
Getty彼らはどのような行動を起こすべきなのだろう?どうすれば活路を見出して悪いムードを払拭し、霧を晴らすことができるのだろう?ここ最近の低迷は、どうすれば止めることができるのだろうか。
彼らには間違いなく、その答えを導き出す能力がある。調子が悪く、自信を失っていることは、必ずしも彼らが無能な選手や監督であるということを意味しているわけではない。キーンが何と言おうが、レッズが抱えるタレントは豊富であり、素晴らしい個性にあふれているのだ。
シティ戦の前半、積極性を要求したクロップは間違っていなかったが(公平のため言っておくと、これは試合終了前20分のアリソン・ベッカーの不可解なプレーが起こるまでは、勝利の可能性が大いにあったことに関する指摘から目を逸させる意図ではない)、もっと楽しみながらプレーをすれば、リヴァプールのフットボールはより良いものとなるだろう。彼らの姿はかつてのものと異なり、フットボールを楽しむことを止めてしまったチーム、そして監督に見えてしまっていた。
しかし、それは無理もないことなのかもしれない。相次ぐケガや病気、プレッシャーが彼らを襲い、さらに長く待ち焦がれたリーグタイトルに手が届いたにも関わらず、彼らはまだその果実を十分に味わい尽くせていない。
彼らは30年ぶりに栄冠を手にしたが、その瞬間がついに訪れた時、祝ってくれるファンたちはその場に居合わせていなかった。これが選手やクロップに与えた影響を甘く見てはいけない。彼らはいつでも、フットボールにおけるドラマやロマンを最も大事にしてきた者たちなのだ。
Getty無論、監督に落ち度がないわけではない(もちろん、シティ戦ではミスを犯した)が、もがいていることも確かだ。クロップは批判だけでなく、サポートも受けるに値する。彼がやっている以上の仕事を誰がやってのけられるだろうか。ここ5年でクラブに残した功績は、彼以外の者では達成できなかっただろう。
もちろん、ドイツ人指揮官は答えを見つけ出さなければならないし、それに見合う相当な報酬も受け取っている。守備を再構築し、中盤に修繕を加え、選手たちの壊れた自信を立て直し、愛する選手たちに再び笑顔を取り戻さなければならない。それは指揮官だけでなく、我々のようなファンも望んでいることだ。
シティ戦での大敗で、チームを見放したKOPはほとんどいないだろうし、状況が悪いわけでもない。だからこそ、雑音をシャットアウトし、これ以上傷口を広げてはならない。リーグ15試合とチャンピオンズリーグがまだ残っている。ここまでの惨めなシーズンを、幸せに満ちて成功したシーズンへと変えるチャンスが彼らにはまだあるのだ。
そんなことは不可能だと思うだろうか。リヴァプールを率いているのがユルゲン・クロップだということを忘れてはならない。なぜなら、彼はこれまで疑う者を信じる者へと変えてきたのだ。
彼は今一度、それをやってのけなければならない。これは彼にとってかつてないほど大きなチャレンジとなるかもしれないが、ワクワクしているに違いない。リーグ連覇の望みは消えてしまったかもしれないが、シーズンが終わったわけではない。
リヴァプールファンも、そして我々もまだまだ楽しむ余地は残されている。
▶2020-21 プレミアリーグ DAZN完全独占!1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
【関連記事】


