元リヴァプール指揮官ユルゲン・クロップ氏は、アメリカでのサッカー発展について持論を展開した。
ドルトムント時代にはブンデスリーガ連覇を達成、リヴァプールでは初のプレミアリーグ優勝やチャンピオンズリーグ制覇など、指揮官として数々の成功を成し遂げたクロップ氏。2023-24シーズンをもってリヴァプールの指揮官を退任すると、現在はレッドブルグループのグローバルサッカー部門責任者として活動している。
そんなクロップ氏だが、先日ニューヨーク・レッドブルズ視察のためにニュージャージーを訪れていた。そこで『The Athletic』の取材に対し、アメリカのサッカー発展について持論を展開している。
「まだ導入段階であるが、クオリティは常に上がっている。我々は巨大な国にサッカーを紹介しているんだ。ビッグネームの存在は大きな助けだね。現状、あのプレースタイルではスタジアムを満員にするのは難しいかもしれない。だが、例えばスタジアムの雰囲気は気に入っているよ。熱狂的で、観客は常に大盛りあがりだ。本当に素晴らしいよ」
その一方で、育成における問題点を指摘。先日FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長も育成段階における「ペイ・トゥ・ペイ」モデルを批判していたが、クロップ氏も同様の考えを持っているようだ。
「アメリカにはいくつか問題がある。私は新人だし『私が変えよう』というタイプでもなく、視察して何が問題になりそうかを見極めるだけだ」
「ユース年代のサッカーは非常に高額になる可能性がある。優秀な選手を輩出するうえで、その費用はまったく意味をなさない。(世界最高の)選手が裕福な地域から生まれてくるわけではないことは、誰もが知っているだろう。私の記憶が正しければ、裕福な地域から出た最後の(世界最高の)選手はカカだったと思う。モチベーションを高めるうえで、この部分は不可欠なんだよ」
「たくさんの子供たちがサッカーをプレーしている。それぞれの段階で適切なトレーニングと教育を受けさせるには、無料であるのが当然だ。私にとっては長期的なプログラムであり、まさに目指すべき場所だね」
