Julian Draxler Schalke 2014(C)Getty Images

シャルケの期待の若手だったドラクスラー、今はカタールでプレー。「もっとよいキャリアを築けたのでは」と言う声に…

元ドイツ代表MFユリアン・ドラクスラーは、カタールで充実した日々を送っているようだ。ドイツ『シュポルト・ビルト』のインタビューでその胸中を明かしている。

現在32歳のドラクスラーは、2023年9月にPSGからアル・アハリ・ドーハへ加入。かつて将来を嘱望された左ウインガーは、カタールでここまで公式戦44試合に出場し、20ゴール18アシストをマーク。負傷や出場停止がない限り、常にレギュラーとしてピッチに立ち続けている。

そんなドラクスラーは、元日本代表DF内田篤人氏とも同僚だったシャルケを2015年夏に退団し、ヴォルフスブルクを経て2017年1月にPSGへとステップアップ。インタビューでは、期限付き移籍したベンフィカからの復帰後、カタールへの移籍を決断した経緯を振り返った。

「当時、PSGでの時間は終わりだと感じていた。前のシーズンはベンフィカにレンタルされ、本当はもう一度勝負したかったが、ほとんど1年間ケガでプレーできなかった。その後はPSGの構想から外れ、どう進むべきか考えざるを得なかったんだ」

イングランドからのオファーもあったが、「身体的にまったく万全ではなかった」ため断念したという。

「そんなときにカタールからのオファーが届いた。公の注目を浴びない場所でフィットネスを取り戻し、落ち着いて定期的にプレーできるチャンスだと受け止めた。もちろん、この移籍が経済的に非常に魅力的だったのも事実だ」

今は妻子とともにカタールで快適に過ごせているようだ。

「ここでは公の場で気付かれることはほとんどなく、仮に気付かれても、家族と食事をしている時やモールを歩いている時に話しかけられることはまずないんだ。とても普通の生活を送ることができている。今でも休暇からカタールに戻ってくるとホッとするんだ」

一方、母国ドイツでは「中東でキャリアを続けるのはもったいない」との声もある。これについてドラクスラーは「僕は自分のキャリアを本当に最高だと思っているし、今もそう感じている」と強調。その上で「もちろん、人々は『あれだけのスタートを切ったのだから、もっとよいキャリアを築けたのでは』と言うかもしれないし、実際に僕自身もそう考えたことはある」と理解を示した。

自身のキャリアにおける分岐点についても言及している。

「シャルケでまだ若かった頃に契約延長した時、アーセナルに行くという選択肢もあった。あの時、もしアーセン・ベンゲルの下で若いうちから学んでいたらどうなっていたのか……今でも気になっているね。また、ヴォルフスブルクからパリに行かず、ユルゲン・クロップのリヴァプールに加入していたらどうなっていたのか、と考えることもあった。実際、その可能性もあったのでね。とはいえ、これまでの自分のすべての決断に悔いはない」

現役引退後については、マネジメントを中心とした活動を見据えているという。故郷クラブのシャルケ復帰の可能性については「もし将来フランク・バウマン(スポーツディレクター)から『シャルケで少し手伝ってくれないか』と言われたら、たぶん断らないと思う」と前向きな姿勢。さらに、シャルケで2年間共闘した元スペイン代表のレジェンドと将来的に関わりたいことも明かしている。

「もしラウール(ゴンザレス)がコーチを探して声をかけてくれたら、それも喜んで引き受けるだろう。彼は選手時代から僕のメンターのような存在であり、一番多くのことを学んだ人物だからね」

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