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【動画】川崎F戦終盤、浦和FW興梠慎三のチャンスは「オフサイドではない」。審判が早めに笛を吹く理由とは?

番組には、お馴染みとなっているJリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加え、JFA審判S級インストラクターの廣嶋禎数氏が初登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。

■意図的な守備であればオフサイドではない

今回議論されているのは浦和vs川崎Fの83分のシーン。ピッチ中央付近左でボールを受けたレオナルドが前線にスルーを出すと、川崎Fの谷口彰悟がスライディングでカットしに行ってボールに触れるが、クリアし切れずに興梠に渡る。しかし、浦和に一対一のチャンスが訪れようかというところで笛が鳴り、オフサイドと判定なった。

リプレイ映像を確認すると興梠の位置がオフサイドかは微妙だったが、番組ではオフサイドポジションだったと仮定して議論を進行。そのうえで、平畠さんは「(谷口は)意図を持ってプレーしていますから、そういう考えからしたら興梠選手はオフサイドではなくなると僕は記憶しています」とオフサイドではないと主張する。

また、原副理事長も「谷口からは(後方の興梠が)見えていないわけですよね。後ろに興梠がいたとしても谷口がプレーしようとしたボールが後ろにこぼれたわけだから、これはオフサイドではないとみるべきなんじゃないかな」と同意した。

実際、競技規則の第11条「オフサイド」の項目には『オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき、(中略)利益を得ているとはみなされない』と記載。たとえオフサイドポジションにいたフォワードの選手がボールを受けたとしても、守備側の選手が意図的にプレーしたボールがこぼれたものであればオフサイドにならないことが明記されている。

その「意図的かどうか」の判断基準について、廣嶋氏はこう説明した。

「私自身が競技規則の改正を機に解釈の変更があった時に、オフサイドの意図的な判断のところの説明としてよく言っていたのは、まずFWが蹴ったボールに対してDFがそれをちゃんと見て判断して、そのボールをプレーするために移動して触ったか。これが整えばオフサイドではない。ただ、移動していなくても十分に判断するための時間的なゆとりがあれば、意図的なプレーとして判断する。なので、これは意図的なプレーだというふうに判断します」

これを受け、平畠さんは「意図は本人にしか分からない(笑)。だから、その人が意図を持ってるように審判が見えるかどうかっていうことですよね?」と再確認する。

廣嶋氏は「まったくそうだと思います。その判断として、ボールの方向に移動したかどうか。時間が十分にあったかどうか、という2つの要素が大きい」と“DFの動き”と“時間”の2点が重要であることを強調した。

続けて、近い距離であれば反射的に身体がボールに反応してしまうことがあるが「近くにボールが速いスピードで通ってきたのに対して『触りたい』という形で反応するというのはプレーヤーとして当然の反応。ここは触れても意図的なプレーとは考えない」と口にしている。

■「選手の接触は避けたい」

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オフサイドではないということで全会一致となった今回のケース。副審は早いタイミングでオフサイドフラッグを上げているが、廣嶋氏は少し待つべきだったのではないかと語っている。

「副審が一番大切なのは、オフサイドポジションに選手がいるということを主審に知らせること。なので、(旗を)上げて、主審が判断するというのが、まずオーソドックスな審判法の中では重要になってくる。ただ、インカムがあるということで言うと、多分ああいう状況であれば、オフサイドポジションにいるけれども待ってるということをアシスタントレフェリーは言っていると思う。そういうことでうまくコミュニケーションを取ってほしかった部分は確かにある」

原副理事長は「ゴールキーパーも出てきてチャンスになりそうなところだったから、その先を見たかったというのが多くの人の気持ちだろう」と映像確認時にこぼしていたが、実際にはシュートまでいくことなく打ち切られた一連のプレー。しかし、主審が早めに判断をする理由として「選手を守りたい」という思いがあるようだ。廣嶋氏は自身もそういったレフェリングをしたことがあると明かした。

「私自身も実際にあるんですけど、『もう触れない』という判断をしてしまった。次に一番避けたいのは、例えばGKが出てきた時に距離近くなりすぎると、主審が旗を見る余裕がない。あるいは笛吹いた後にぶつかったりしたら選手がケガをする。できれば選手の接触は避けたいという気持ちが私の中には常に現役の時もあった。そういう気持ちも働くと、急いで上げちゃうというミスを私もしたことはあります」

これに対して「難しいよね」と唸る原副理事長は現場目線でもある種ダブルスタンダードな意見が出かねないと語っている。

「見たいって言った反面、あれですごい大ケガをしたりして『実はオフサイドでした』って。『いや、最初に取ってよ!』となりますからね。だから確かに難しい」

今回のジャッジリプレイでは、このほかにもセレッソ大阪vs鹿島アントラーズの後半AT、北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪の45分にそれぞれ起きたハンドに関するシーン、湘南ベルマーレvs清水エスパルスの22分のファウルシーンについて議論されている。

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