番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、東京都サッカー協会審判委員長の牧野明久氏、さらに元ベガルタ仙台指揮官の渡邉晋氏が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。
■DOGSOの4要件は満たす
今回注目されているのは、勝負を分けた大分vs川崎Fの34分のシーン。町田也真人のフィードに抜け出した野村直輝がボックス内で谷口彰悟に倒されてPKの笛が鳴る。さらに、谷口にはレッドカードが提示されて一発退場となった。
PK・退場・出場停止の三重罰となった谷口。この場面についてはまず、DOGSO(決定的な得点の機会の阻止)の4要件である「プレーの方向」、「ゴールまでの距離」、「ボールをキープできる、あるいはコントロールできる可能性があるかどうか」、「守備側競技者の人数」が満たされるかが議論となる。
これについて、ゲストで登場している渡邉氏は「あまり異論はないと思います。十分にその4つの要素を満たしているシーン」だと率直にコメント。続いて平畠さんと原副理事長もDOGSOではあると同意しつつ、平畠さんは「レッドなのか、イエローなのか」と疑問を呈し、原副理事長は「手で行ったというふうに見える。それはもうレッドになる」との見解を示した。
■レッドカードの判断理由は?
(C)J.LEAGUEとはいえ、ボックス内でPKが与えられた際に、DOGSOが満たされていてもレッドが出る場合とイエローが出る場合がある。判定の違いはどこから来るのか、その点を牧野氏はこう説明した。
「この谷口選手のように、もうボールにプレーできる余地がなくファウルをした時が三重罰。手のファウルで、そこは(ファウルの)強さは考慮されないです。相手を手で引っ張って倒したということで、その条件が満たされることになります」
反対に、イエローカードで収まる場合については以下のように具体例を提示している。
「ボールが足元にあってボールにチャレンジしようとしたけれど、ボールにプレーできなくて相手選手にファウルをしてしまう場合です。スライディングタックル、トリッピング等で。そういうプレーがレッドカードではなくてイエローカードになる」
“ボールにプレーする余地があったかどうか”が分かれ目となる警告と退場。現場では川崎Fの鬼木達監督が抗議をしており、渡邉氏も監督目線から「冷静になっていたとしても、選手、あるいはサポーターと一緒に『俺も戦っているぞ』というようなベンチの気迫というか気概みたいなものは、時には見せる必要がある」と理解を示したが、今回の判定は妥当なものだったようだ。
今回のジャッジリプレイでは、このほかにも川崎Fvs横浜F・マリノスの後半ATの退場にならなかったボックス内でのファウル、北海道コンサドーレ札幌vs清水エスパルスの15分に起きたハンドに関する事例などについて議論されている。
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