番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。
■見る角度で印象が変わる判定
今回議論されているのはFC東京vs札幌の55分のシーン。FC東京がカウンターに転じたところでディエゴ・オリヴェイラがキム・ミンテを抜きにかかり、倒されてファウルの笛。主審は当初はイエローカードを提示したが、VARが介入し、オンフィールドレビューの末にDOGSO(決定的な得点機会の阻止)に当たるとしてレッドカードに変更されてキム・ミンテは退場となった。
ボックス外のでのDOGSOについては、『反則とゴールの距離』、『守備側競技者の位置と数』、『プレーの方向』、『ボールをコントロールできる可能性』の4要件を満たせば退場となるが、この場面ではどうだったのだろうか。平畠さんは退場は厳しかったのではないかと口にし、SNS上で寄せられた意見を紹介している。
「僕の印象では、イエローでいいのかなという気はしました。ボールは確かにゴールの方向に転がっていますが、ただその後のプレーができたか…。Twitterでは『ディエゴ・オリヴェイラはボールをゴール方向に蹴り出していますが、彼の体の向きは、タッチラインと並行しているように見えます。これでもボールの方向が優先されてゴール方向へのプレーと判断されるのでしょうか』という疑問もいただいております」
その指摘について「鋭い。多分、その論点だと思います」と舌を巻いた原副理事長は、前半にFC東京のDF渡辺剛が札幌のチャンスシーンでファウルをして一発退場となったことを紹介。キム・ミンテの場面と似通っており、試合の基準としてあり得る判定だと理解を示した。
「状況で見ると『同じだよね』という感じが強く印象として出てきてしまったのかなと。難しいけど、この試合のシチュエーションでいうと、やっぱりDOGSOになっってしまうだろうなという気がしました」
どちらもあり得るという微妙なラインの今回の判定。深野さんも「最初にメインスタンド側からのカメラの映像を見た時に『あ、イエローカードだ』と一瞬思いました。ただ、後から、それとは45度違う、ゴール裏に近い方からのカメラで見ると『あれ? DOGSOだ』と思い直しました。カメラの位置によって見え方がちょっと違うなと思いました」と述べている。
■「明白な間違い」だった?
(C)Getty imagesとはいえ、VARは『はっきりとした明白な間違い』だった場合に介入するとしているが、今回の事例は当てはまったのだろうか。実際には主審は当初イエローカードと判断しており、VARの介入によってそれが覆った。
しかし、深野さんは「違う映像を見てしまったら、やはりDOGSOと言わざるを得ない」と断言。それでも平畠さんは「多分、何人かと(判定について)喋ったら(見解から)分かれると思います。みんながはっきり『あれはレッドだよ』と、ならないと思うんです。明白ではないのではないかと、僕は感じました」と異議を唱えている。
また、原副理事長も「どちらとも取れる案件」だと語り、明白な間違いだったかという点については疑問符をつけた。
「実際に完全にコントロールしているかどうか、ボールも中には行っているけど、オリヴェイラの体は少し流れているふうにも見えます。だから荒木主審は、最初イエローだったんだと思うんです。ただ、言ったようにゴール裏から見たら『ああ、これはDOGSOとも言えるな』というので変えたんだと思いますが、明らかかというとどちらとも取れる」
それでも、深野さんは「VARからすると、おそらくこれは明らかな、明白な間違いだと思ったのではないかと思います」と主張。自身の見解としても「DOGSO、レッドカードだと思います」と、警告ではなく退場が妥当だと考えていることを強調して締めくくっている。
今回の『ジャッジリプレイ』では、このほかにもJ1リーグ第9節FC東京vs川崎フロンターレの61分にGK丹野研太のハンドが疑われた場面、札幌vs鹿島アントラーズの65分にボックス際で接触があった場面、J2リーグ第7節ザスパクサツ群馬vsV・ファーレン長崎の後半ATのファウルについて議論されている。
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