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「ここでアピールできなければ、次はない」。初の年代別日本代表招集、札幌MF金子の存在感

■最初から危機感を持って臨む

 小気味良いステップから左足を振り抜くと、綺麗な弾道を描いたボールがゴールネットを揺らした。合宿3日目に入り、森保一監督は、さまざまシチュエーションでのフィニッシュの練習を採り入れているが、初招集となった北海道コンサドーレ札幌のMF金子拓郎がその技術で静かな存在感を見せている。

「初めて招集されたので、代表がどういうものか分からない状況で合宿に入った」と自ら語ったように、これが初めての年代別日本代表選出。加えて、本番の東京五輪が来夏にあることを思えば、残された時間もそうはないシチュエーションでの初招集である。

「立ち位置的には一番下だと思っている。ここでアピールできなければ、次はない」

以下に続く

 そう位置付けての合宿参加であり、最初から危機感もあらわ。23日の練習を前に、横内昭展コーチからイレブンに対してワンプレーを大切にするように戒める言葉があったが、金子に関して言えば、合宿当初からその意識の高さを感じる選手だった。

■札幌で戦い抜いた経験が自信に

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 まだ日本大学に在籍していた昨季の時点から特別指定選手としてリーグ戦6試合に出場し、ルヴァン杯でも実戦経験を積んでおり、正式に札幌へ加入した今季はリーグ戦31試合に出場。先発を外れた時期もあったが、ほぼレギュラーとしてシーズンを戦い抜いた。「自分のストロングポイントであるドリブルと突破力」については自信も携えての代表入りで、“お客さん”として参加したつもりは毛頭ないだろう。

 加えて言うならば、「(札幌は)マンツーマンで守るので、1対1の守備力が凄く上がった」と言うように、森保監督が求める守備への貢献度を出す部分でも、十分にやれる素地はある。

 今回の合宿に参加していない海外組や川崎フロンターレ組の存在を思えば、特に攻撃陣に関して残された「枠」はかなり少ないと予想できるし、「五輪世代の左利きの攻撃的なレフティー」と言えば、A代表に名を連ねる選手がズラリと揃っており、実際厳しい争いだろう。

 ただ、そこは百も承知の上でのチャレンジだ。ウイングバックもこなす器用さもいいが、やはり見せたいのは、ドリブルからのフィニッシュ。最終日には練習試合も予定されているものの、時間も限られる中で巡ってくるのはワンチャンスあるかどうかかもしれない。ただ、北の国のレフティは、その一本を決め切ることを虎視眈々と狙っている。

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