日本代表は15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でキルギス代表と対戦した。
これまでの5・6月シリーズの4試合で4連勝を飾った日本。その1試合目では5月末の2次予選ミャンマー代表戦に大勝して最終予選進出を決め、直近の国際親善試合ではセルビア代表に1-0で勝利した。
今回の活動の最後の試合となる5試合目、キルギスとの一戦に向けて、森保一監督は前日会見で「セルビア戦からは大幅に変更して、タジキスタン戦のメンバーを中心に準備」すると発言。あまり出場時間を得ていなかった選手たちにチャンスを与える意図を明確にした。
そして、その言葉通りにタジキスタン戦でも先発した原口元気らを起用。4-2-3-1の布陣の中でワントップにはオナイウ阿道、中盤にはFW登録の浅野拓磨が腕章を巻く原口や坂元達裕とともに入り、ボランチは川辺駿と守田英正のセット。ディフェンスラインには小川諒也、昌子源、中谷進之介、山根視来が並んだ。
この試合も開始から日本がボールを支配。トップ下の原口と守田や川辺が近い距離を保ちつつキルギス陣内で試合を進めていく。8分には左サイドに抜け出した浅野が中央に折り返したところに初先発のオナイウが飛び込んだが、わずかに触れることができない。
とはいえ、同じクラブ(ドルドイ・ビシュケク)でプレーする選手がスタメンに6名とチームとしての連動に長けるキルギスも簡単には崩れず。12分にもボックス左に抜け出した浅野が中央に折り返してニアで原口がスルー、オナイウが右足でシュートを放つ場面があったがうまくミートせずに枠を外れた。
キルギスは守備時に5-4-1のような形を敷いて後方に人数を割きつつカウンターを狙う。日本は両サイドにボールを振りつつスペースを作ろうと試みていく。23分には小川がクロスを入れたところからボックス内で混戦が生まれて最後は坂元が押し込もうとしたが、ゴールライン寸前でGKパベル・マティアシュがセーブ。キルギスの決死の守備に苦しめられてなかなか得点を奪うことができない。
さらに26分にも右サイドでボールを受けた山根がクロスを供給。オナイウがヘディングシュートを放ったところで競り合ったDFアイザル・アクマトフに触れられてボールは右ポストを叩く。得点機を逸したかに思われたが、アクマトフのブロックがハンドだったとしてPKを与えられ、自らキッカーを務めたオナイウが代表初ゴールを決め切った。
続く31分にもキルギス陣内右でボールを持った川辺がドリブルで複数の選手を抜き去る。そのままボックス右に侵攻して折り返すとファーで待ち構えていたオナイウが触れて加点した。
そしてその2分後、原口からの展開を受けた小川が左サイドからアーリークロスを蹴り込む。ボックス内に走り込んだオナイウが今度は頭で沈め、代表初先発にしてハットトリックを達成した。
しかし、前半終了間際にはボックス右で突破を図ったグルジギト・アリクロフを守田が倒してしまいPKの判定。キッカーを務めた背番号10のミルラン・ムルザエフに決められ、2点差で前半を終えた。
後半に入っても集中した守備を続けるキルギス。左サイドの浅野と右サイドの坂元がドリブル突破を図るなど積極的に仕掛けていくがなかなかシュートまでいかない。
日本は61分に2枚替えを敢行。守田と原口に代えて橋本拳人と古橋亨梧が投入された。直後には浅野が左サイドを突破してマイナス方向に折り返したボールに古橋が反応する。左足で放ったシュートは枠をわずかに右に外れたがいきなりチャンスを作った。
なかなか追加点を重ねることができない展開の中、日本は68分にオナイウに代えて佐々木翔を投入。ディフェンスラインを3バックに変更して左から佐々木、昌子、中谷の並びに。
クロスからチャンスを作っている小川と山根がより高い位置をとる。また、最前線には浅野が入り、坂元と古橋が2シャドーを形成した。72分にはボックス手前中央まで入り込んだ山根が右足で強烈なミドルシュート。アレクサンドル・ミシチェンコにディフレクトしながら絶妙に枠を捉えたボールはGKマティアシュに阻まれる。
しかし、このプレーで得た右CKでキッカーの坂元が蹴り込むとボックス内で佐々木が高く跳躍。力強いヘディングシュートでチームの4点目を沈めた。日本は76分にさらに入れ替えて山根に代えて室屋成を送り出す。
キルギスが前がかりになろうとする77分にも日本の攻撃は止まらない。ディフェンスラインからの縦パスを受けた古橋がピッチ中央からドリブルで侵攻。相手を引き付けてボックス右にラストパスを送ると、右足で浅野が難なくネットを揺らした。
その後も日本がサイドを起点として矢継ぎ早に攻撃を仕掛けてキルギスに反撃を許さず。結局、4点差をつけて試合を終えた。
2次予選を8戦全勝46得点2失点の得失点差44という圧倒的な成績で終えた日本。今後、W杯に向けた最後の関門である最終予選が9月にスタートする予定となっている。
■試合結果
日本代表 5-1 キルギス代表
■得点者
日本:オナイウ阿道(27分、31分、33分)、佐々木翔(72分)、浅野拓磨(77分)
キルギス:ミルラン・ムルザエフ(45+2分)
