■「親善」も実際に重要だ
国際親善試合は何のために行われるのだろうか。
ちょっと意外に思われるかもしれないが、「親善」も実際に重要だ。日本サッカー協会の対外的なネットワークはこうしたフレンドリーマッチを通じて構築・維持されているという側面は実際に少なからず存在する。こういうコロナ禍でも対戦相手がパッと決まる(ように見える)のもそうした積み重ねの成果だし、A代表同士の試合をアテンドする中で、アンダーエイジの代表が国際大会に招待されるといったことも起こっている。
とはいえ、こうした「親善」こそが最も重要だと思っている代表監督は一人もいないだろう。戦う意味は一つ、「チームを強くする」こと。その手段として、こうした親善試合は用意されているし、今回の11月シリーズで行われるパナマとメキシコとの試合はそのためにこそある。
10月シリーズに関しては少々事情も違っていた。コロナ禍による1年近い沈黙を経ての活動であり、単純な代表強化の文脈だけではなく、メッセージを打ち出す意義も大きかった。それはたとえば、MF久保建英が「サッカー選手になりたい夢を持つ子どもたちのために」と強調したような部分である。
コロナ禍での2度目の招集となった今回もそうした意義がないというわけではないが、最初に来るべきなのは、やはり「強化」の文脈だろう。先月のシリーズについてGK権田修一が「1年ぶりに集まって試合をするのは難しい」と率直に語っていたような“ズレ”も小さくなるだろうから、エクスキューズも消えた。より「チーム」としての進歩を示す必要がある。何せ、次の招集機会となる3月の試合は「強化」より「結果」が最優先となるW杯予選なのだ。実験するなら、ここしかない。
■果たして予想布陣は?
🄫Goal森保一監督は以前「決めすぎないようにしている」という話をしていたことがある。
メンバー選考時点で「先発はこいつ、サブはこいつ」と決め付けてしまうと、いざ集まってみれば思いのほかコンディションのバラ付きがあるのが代表チームの常だからだ。前回の招集で言えば、MF遠藤航は初戦での先発が難しいコンディションで、逆に試合をまったくこなしていなかったGKの権田は十分に先発でやれる状態だった。トレーニングを通じてそうした状態を確認しつつ、その時々の最善策を見いだすのが代表監督の仕事となる。
トレーニングは基本的に非公開で行われているため、どうしても試合のみで選手が評価されていると錯覚しがちだが、インターナショナルマッチウィークの流れは「調整→練習→練習→練習→試合→調整→練習→練習→試合」。チームとしての鍛錬を積む機会であり、トレーニングを通じて互いを理解し、また監督が選手を評価する場となっていることが大きいのは忘れないようにしたい。
🄫JFAその上で、第1戦のパナマよりも第2戦のメキシコがよりW杯予選を意識したメンバー選考をすることが予想されるため、パナマとの初戦はより実験要素の強い布陣になると予想する。
その上で具体的に見ていくと、前回は出入国の問題で招集できなかったセルビアでプレーするFW浅野拓磨、ロシアでプレーする橋本拳人の二人は、コンディションの問題がなければ先発するのではないか。個人的には、変化を付ける達人であるMF鎌田大地の爆発に期待している。また堂安律が招集できなくなる中で、前回は出場機会のなかったMF三好康児も期するものがあるはず。今回も呼べなかったJリーグ組も含めて好選手の多いポジションだけに、このシリーズで持ち味を出し切りたい。
■個の力がある北中米の強国パナマ
Getty Images最後に第1戦の相手となるパナマは北中米の強国の一つだが、森保監督は「フィジカル的な強さがあり、推進力がある。個の力があるチームだと思っている」と評価する。その上で、「10月に2試合コスタリカと試合をし(2戦とも1-0で勝利)、2点とも得点を挙げたのはアブディエル・アヤルサ(5番)だった。2列目からの攻め上がりは印象に残っているし、注意していかないといけない」と注意すべき相手を挙げた。
「個の力を生かしながら組織的に相手の攻撃を止めて守備から攻撃に移っていくことができる」と指揮官が言うように、カウンターの強い相手に対し、それを受けないような攻め方と攻守の切り替えを徹底しつつ、仕留めるところで仕留めきれるかどうか。
来たるW杯予選へ向けた「強化」という視点で捉えれば、アジア予選でも似たような戦い方を求められることは多々あるはず。このパナマとの国際親善試合を通じた「強化」をできるかという点で、一つ大きなポイントとなるだろう。
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