日本代表の森保一監督や一部選手たちが7日、カタールから帰国し、会見に臨んだ。森保監督と吉田麻也がクロアチア代表戦のPK戦について改めて言及している。
日本はカタール・ワールドカップ（W杯）のグループEでドイツ代表、スペイン代表というW杯優勝経験国を下して首位通過。ラウンド16でクロアチア代表と対戦したが、1-1で迎えたPK戦の末に敗退した。日本史上初のベスト8とはならなかったが、大国を下す姿は多くの国民を感動の渦に巻き込んだ。
会見の中で4人中3人が失敗したPK戦について問われた森保監督は、選手主体でキッカーと順番を決めた方式を採ったことについて問われると、「チームで順番を決めるのは準備していましたが、これまで私がやってきた中で毎回同じPK戦の戦い方をしていたので、今回も同じような形を取ることにしました」と経緯を語り、「後々、結果を掴みとれなかったこと、そして選手に責任を負わせてしまったことにおいて、私が全て決めた方が選手にとっても良かったかなという部分もあり、結果もひょっとしたら違ったかもというタラレバ部分もある」と悩んだことを明かし、以下のように続けた。
「自分たちがやってきてトレーニングもしていたし、そこに自信をもって気持ちを込めてPKを蹴ってもらうという判断をしました。PKを蹴ってくれた選手に関しては本当に勇気のある決断をしてくれました。口から心臓が飛び出るほどの緊張とプレッシャーの中、選手たちが勇気をもってチームを勝たせる、日本に勝利をもたらす、日本のために戦った勇気を称えたい。PK戦を見てくれた方が日常生活に反映していただき、失敗を恐れず勇気をもってチャレンジすることが大切だと感じてもらえれば嬉しい」
一方、この直後に吉田は「まったく同じやり方でニュージーランドに五輪で勝っているんです。僕はこのやり方が特に間違っていたとは思わない」と、昨夏の東京五輪・準々決勝でニュージーランドをPK戦の末に下した例を出し、PK戦に対する批判的な論調に対して反論した。
「メディアを見ると『事前に言っておくべき、決めておくべきだった』というのがあったが、それは全部結果論じゃないかな。ニュージーランドの時はそんなことは一言も出なかった。負けたからそのやり方がフォーカスされていますが、選手側として間違いだったと思わないです」