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大分トリニータの夢は終わらない!死闘の末にPK戦で王者・川崎フロンターレを下し、初の天皇杯決勝戦へ

天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会は12日に準決勝が行われ、川崎フロンターレと大分トリニータが対戦した。

今季のJリーグ王者にして、前回大会チャンピオンの川崎F。連覇へ向け2年連続の決勝戦進出を目指す一戦では、JリーグMVPのレアンドロ・ダミアンや旗手怜央ら主力選手が軒並み先発入りを果たした。一方で初の4強入りを果たした大分では、古巣対戦となる下田北斗や高木駿が名を連ねている。

序盤は大分の前線からの積極的な守備が機能し、ボールを持つ川崎Fに自由に繋がせない。それでも王者は17分にレアンドロ・ダミアン、25分に脇坂泰斗と数は多くないが徐々に攻勢を強めていく。27分には大島僚太のミドルシュートが枠を襲ったが、GK高木駿がファインセーブで防いだ。その後も圧力を高め、相手ゴール前でチャンスを作るが、GK高木駿を中心に大分が粘り強い守備でゴールは割らせない。前半はスコアレスで折り返す。

後半序盤も川崎Fが主導権を握り、敵陣で試合を進めていく。それでも大分の組織的な守備を崩せず、シュートまでなかなか持ち込めない。65分、川崎Fは大島僚太に代えてマルシーニョを投入。旗手怜央のポジションを中央に移し、状況の打開を図る。69分、大分のCKの際にハンドがあったかどうかVARオンリーレビューが行われたが、PKの笛は鳴らなかった。大分も70分に2選手を入れ替えた。

先制点が欲しい川崎Fだが、72分のマルシーニョのシュートもGK高木駿に弾かれる。75分にレアンドロ・ダミアンがワントラップからオーバーヘッドを狙うが、ここもGK高木駿の正面へ。80分、ゴール前から細かくパスを繋いで最後は大外のマルシーニョが飛び込んでいくが、GK高木駿が飛び出して防いだ。攻める川崎Fだが、好プレー連発の守護神の牙城を崩せない。82分、レアンドロ・ダミアンと旗手怜央を下げ、小林悠と知念慶を投入し、勝負に出る。しかし90分間ではゴールが生まれず、試合は延長戦に突入する。

延長前半早々、大分は渡邉新太のミドルシュートやペレイラのヘッドがGKチョン・ソンリョンを襲う。運動量と組織的な守備は衰えず、川崎Fを苦しめる。川崎Fは延長前半9分、脇坂泰斗が狙ったが、ここもGK高木駿に弾かれた。両者ゴール前に侵入する場面が増え、オープンな展開となっていく。奮闘する大分だが、ペレイラが負傷で交代を余儀なくされた。坂圭祐がピッチに入っている。川崎Fは小林悠、知念慶が決定機を迎えたものの、シュートは枠を外れた。延長後半には一挙3枚を入れ替えた川崎Fだが、GK高木駿の2連続セーブなどに弾かれる。

それでも延長後半8分、ついにゴールをこじ開ける。ボックス内に飛び出した小塚和季の折返しを、最後は小林悠が押し込んだ。しかし、試合はこれで終わらない。延長後半アディショナルタイム、低い位置でのクロスをトレヴィザンがヘッドで叩き込み、大分が土壇場で同点に追いついた。延長戦も同点で終了し、試合の行方はPK戦に委ねられる。

大分の先攻で始まったPK戦は両者とも1人目は成功するが、ともに2人目が失敗。大分は3人目、4人目が成功したものの、川崎Fは4人目が再び失敗。だが、大分5人目のキックをGKチョン・ソンリョンがストップする。川崎F5人目の小林悠が成功し、サドンデスに突入。そして川崎F7人目の山根視来のキックをGK高木駿がストップし、大分がPK戦を5-4で制した。

今季限りで片野坂知宏監督の退任が決まっている大分。有終の美を飾るべく、クラブ史上初の天皇杯決勝進出を決めた。一方の川崎Fは、2年連続二冠達成の夢は潰えている。

■試合結果

川崎フロンターレ 1(4)-(5)1 大分トリニータ

■得点者

川崎F:小林悠(延長後半8分)

大分:トレヴィザン(延長後半AT)

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