日本代表は12日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4節でオーストラリア代表を埼玉スタジアム2002に迎える。
■「現実に今できることを…」
(C)Getty images各国はここまで最終予選3試合を終え、グループBでは勝ち点9で並ぶオーストラリアが首位、サウジアラビア代表が2位。日本は1勝2敗で3位となっており、初戦の直接対決で日本に勝利したオマーン代表は得失点差の関係で4位となっている。最下位・ベトナム代表はここまで全敗となっているが、5位・中国代表も勝ち点3で日本、オマーンと並ぶ。
順位を俯瞰すれば、グループBにおいてはオーストラリアとサウジアラビアが先頭を走るW杯出場の有力国であり、日本からベトナムまでの4カ国は3位でのプレーオフ進出を経て本大会というルートが視野に入る。いわば日本は第2グループに位置しており、それは非情な現実だ。
とりわけ、8日に行われたサウジアラビアとの直接対決で敗れたのは痛恨だった。その内容もミスによる失点からの0-1敗戦とダメージは大きく、森保一監督の手腕に対する疑問が聞こえるのもプロの世界であれば当然のことだろう。
多くの選手が欧州でプレーする日本は世界で最もタフな移動を強いられる代表チームの一つであり、コンディション面でエクスキューズがあるのは確か。戦術面についても、所属クラブでの戦い方をインプットしているシーズン序盤ということがあり、森保監督が強調してきた「所属クラブと代表のギャップ」を埋める作業の難易度も上がる。
その中でもサウジアラビア戦で多くのピンチを招いた要因に挙げられるのは、選手たちのセルフジャッジが目立った点だろう。中東の気候で超満員のスタジアム、熱気で体力が削れていた中で少しでもゲームをストップさせたいという気持ちがあったかもしれないが、森保監督は「選手たちにはセルフジャッジはやめて笛が鳴るまで続けようと伝えました」とチームとしての戦い方ではないと強調している。
そして、その要因も「我々が戦うコンセプトの中で、選手たちには笛が鳴るまでプレーを続けようということは伝えてきました。しかし、代表活動の間が空いたりすることで、少しそこら辺の意識が薄れることがある」と説明。代表チームとして一貫性を保つことの難しさが改めて浮き彫りとなったが、これまで理想としての到達点が世界にあるということを口にしてきた森保監督は、継続の必要性を訴えながらも、次戦に向けては「現実に今できることを、試合に臨むにあたって準備する」と口にした。
■選手たちが見せた変化の兆し
(C)GOALまた、オーストラリア戦に向けたメディア対応では、複数の選手が組み立ての決まり事を整理し、ピッチ上で良い距離感を保つ必要があると語った。主将の吉田麻也も「課題は形を持つことでしょうね。アジア杯やこの間の試合で良かった時は距離感が良くて、中島(翔哉)選手や南野(拓実)選手が狭いスペースで前を向けた。そこは今欠けていて、ある程度ここに入ったらこうと決めていかないと、テンポも上がらない」と“形”を準備しておく必要性を語った。
これまでチームに対する選手たちの意見は外部にあまり漏れ聞こえてこなかった。吉田も「僕も言うし、監督も意見があるし、やり取りは数回しました」と明かした通り、もちろんこれまでも内部で議論はあっただろう。とはいえ、公に向けてここまで明確に“変化”の必要性が言葉にされることはなかったのではないか。
実際、巻き返すにはここがギリギリのタイミングだ。2位以上を直接的に争うと思われるのはサウジアラビアとオーストラリアだが、すでにサウジアラビアには1敗。オーストラリアにもし勝つことが出来なければ、本格的に3位狙いにシフトすることとなる。
一方で、オーストラリアに勝利した場合の勝ち点差は「3」。サウジアラビアとも「6」の差を保つこととなり、ホームでの2度目の直接対決に勝利することが出来れば、オーストラリアとサウジアラビアの直接対決も2試合が残っていることから、最終的に首位に浮上する可能性も出てくる。
負ければ地獄、勝てば光明を見出すこととなるオーストラリア戦。森保監督が「個々のフィジカルの強さがあり、かつ技術的にも優れている」と評したように強力で、切磋琢磨してきた相手だが、スピードでは日本に明確にアドバンテージがある。
その観点では、やはりサウジアラビア戦で出場停止だった伊東純也の快足は武器になりそうだ。コンディション面での期待もあるが、“崩しの形”を模索し始めた日本にとって、独力でもサイドで存在感を放ち、周囲と連係すれば決定的な役割を果たすことができる伊東の存在は大きい。
また、オーストラリアは日本に対しても攻めるプランを持ってきた国であり、サイドからの上りも強力だが、その分スペースはある。各選手が背水の陣とばかりに意気込む中で、肩の力が抜けている点も頼もしい。伊東は次戦に向けたメディア対応でこう語っていた。
「プレッシャーを感じないわけではないですし、責任も感じますが、それを力にできるタイプだと思うので、難しい状況ですがチャンスはあるので自分がチームを引っ張っていければと思います」
聞けば、サウジアラビア戦では「裏方」として動き、「ボールの片付けだったり、声をかけたり」していたという。続くオーストラリアは強力な相手だが、伊東は「自分の特徴はどこが相手でもチャンスを作れることだと思います。相手が嫌がることをしてチャンスが作れれば」と自信を示した。
フォアザチームの精神を持ちながらも個の打開力を有するアタッカーは、気負わないプレーでチームを救ってくれるのだろうか。運命の日本vsオーストラリアは、12日の19:10に埼玉スタジアム2002でキックオフを迎える。
取材・文=上村迪助(Goal編集部)
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